プロローグ:喰人人間
20xx年、東京神卓町裏路地にて
暗い裏路地の中を2人の警察官が鼻を押さえながらライトを照らす
「また喰人人間かよ。」
若い警察官が目を逸らしながら呟く
「今月で25件ですよ。」
無精ひげを生やしたベテランの警察官が首をかしげる
「一体何なんだこれ?」
「何で体の一部が食べ物になってるんですかね。」
喰人人間・・・半年前からこの神卓町にて発現している変死体である。この死体の特徴としては体の一部が食べ物になっていることである。その姿はまさに人の体を食べ物が侵食しているように見える為、ネットの間で喰人人間と言われ徐々にその名前が広まっていった。まだ喰人人間については謎が多くなぜ神卓町にだけ広まっているのかも詳しく解明されていない。
「また身分確認なしで焼却処分なんですか?」
若い警察官が聞くとベテランの警察官がペシッと頭を叩く
「馬鹿こんなの遺族に引き渡せるのか?それにサンプルは本庁にたっぷりあるしな」
「なんか最近増えてる気がしますよ。」
「知るか。俺たちは見つけて処分するだけでいいんだ。」
そんな警察官のやり取りを遠くでフードをかぶった男が見ている
「警察官カ・・・イルカモシレナイナァ適合者ガ」
その男は静かに警察官に歩みよっていった・・・