光る笑顔
私はあなたにどんなに
ひどい事を言われても平気だった
今考えると
頭がマヒしていたんだと思う
でもそれはとっても
しあわせだったの
あなたと歩いた銀座
おいしいケーキ
二人で一口ずつ味見しあって
あてもなく歩いただけだったけど
街中が星空のようにキラキラ輝いて見えた
あなたと一緒にいたからね
新橋のラーメン屋
サラリーマンがビールを飲んで
賑やかだったけど
私たちは二人だけの空間で
お互い見つめあった
私が食べきれなかったラーメンも
汗をかきながら一生懸命食べてくれた
深夜のドライブもしたよね
真っ暗の車の中
何を話したんだっけ
あなたの母校にも連れて行ってくれた
それよりも私はあなたの横顔を
見るので必死だった
あなたも私を喜ばせようと頑張ってくれたよね
その気持ちがとても嬉しかった
あの頃のあなたはやさしい王子様だった
私は東京駅が大嫌いだったよ
12時になるとあなたとお別れしなきゃいけない
このままずっと一緒にいたいのに
あなたの声を聞いていたいのに
夢の時間が終わってしまう
また冷たい時間が始まるの
あなたは千葉に帰って私のことを
一瞬でも考えてくれるのかなって
私は電車の中でそればかり考えていたわ
いつから私たちはねじれてしまったのかな
最初から成り立ってなかったのかもね
1つだけわかること
あなたは自分のスタイルを絶対に貫くの
自分の歯車にまきこめない人間は
あなたにとってはいらないんだね
メールが苦手だって言ってたけど
いつも長文で返信をくれた
絵文字も嫌いだって言ってたけど
私へのメールには使ってくれた
でも変わっちゃったね
返信はいつも一言
「うん」「ありがと」だけになった
私の前で他の女の子を
「かわいい」と言うようになって
だんだん会う約束もしてくれなくなって
私だけが好きで好きでたまらなくて
この思いはどうすればいいの?って
いつも泣いていたんだよ
夢見がちな私は
いつかあなたと結婚すると本気で思っていた
だって初めて好きな男の人とデートしたんだもん
でもあなたは最後まで「好き」って言ってくれなかったね
ずっと曖昧なまま時が流れていった
でも私が逃げようとすると必ずつなぎとめた
いつもやさしい言葉を投げかけてくれる
私はそれに惑わされてしまったわ
私はいつも心がグラグラ不安定で
仕事どころじゃなくなった
あなたのその日の一挙一動で
私の気分も浮き沈むの
この恋はいけないってどこかでは
分かっていた
友達にも何度も
「それっておかしいよ」
って止められた
「別れたら寂しいとは思うけど、別れなよ」
ってはっきり言ってくれた
でも私は彼のいいところばかりに目をやって
その言葉を無視してしまったの
どうしても私から別れが切り出せなかった
あなたは私の全てになっていたから
もう後戻りはできなかった
あなたと乗った観覧車
初めてにして最悪の思い出となったわ
私が不機嫌になると
いつものやさしい声で
私に付き合ってくれる
さっきまで違ったのに
本当のあなたはどこにいるの?
あなたが仕事で行き詰っている時
私は助けてあげたくなって
居てもたってもいられなかった
真剣に向き合おうと思ったのに
でもあなたにはうざったくて
ただのありがた迷惑だったんだね
二人の気持ちがすれ違っていく
気づいたら
もう埋まらない溝ができていた
私がどんなに頑張っても
空回りするだけ
あなたはそっぽ向いている
青空が目に沁みたわ
もう取り戻せないと分かったから
私の「寂しいな」のメールで
あなたは忙しい中
電話をくれたよね
これが終わりの瞬間だった
「森さん、病気だから。元気でやってよ」
電話の向こうから雨の音がしとしと聞こえてくる
私は彼の言葉の途中で電話を切った
今でもあなたに憑りつかれたままなの
忘れたと思っても不意にあなたの笑顔を思い出す
最悪なさよならをしたのに
新たなしあわせを掴もうとしているのに
あなたの笑顔は世界で一番素敵だったわ
一生忘れないと思う
楽しかった思い出もあったから
嬉しくなるような言葉をさらりと言ってくれたから
でも本当にさようなら
私はいつまでも立ち止まっていられない
今日から新しい1ページを開くの
私は自分の思いを整理するために
ここにあなたへの思いを書き記しました
永遠の恋なんてあるのかな
いつも運命の人だと勘違いする私はバカだ・・・