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2/2

待ってました!現地民との接触

異世界物ならエルフは欠かないだろ!なぁ、兄弟!


 ずっと夢見てきた異世界だから戸惑いは無い、元の世界では高校卒業後からずっとニートでお先真っ暗な二十歳だったのだ。


 親も俺が17歳の時に両方事故で死んで、友人も居なかった俺には元の世界に未練なんて有るわけが無かった。


 そして何より読み終わった直後の小説に召喚されたんだ、これほど好都合な事は無い。


「だとしても何でパンツ一丁で召喚されるんだよって話だよなー」


 単純に普段家の中だとトランクス一枚で過ごしていて、召喚された時もそうだったからだろう。


「まっ、とりあえずお姫様が来るまで適当に湖で泳いどくか。あのツンデレお姫様の事だし突然会った人が半裸だったら服くらいくれるだろ」


 もはや疑う余地無し、といった風に湖に飛び込んだ幸田は暫くしてからようやく気づくことになる。



――――――――――――――――――――


「おい、何時になったらお姫様は来るんだよっ」


 湖からとっくに上がって大きい石の上で座っていた俺は日が傾き始め辺りが薄暗くなり始めた頃、違和感を感じる。

 小説内では召喚されて主人公が葛藤しているすぐの間に現れたのに一向にお姫様が現れないのだ。


「もしかして早とちりしたか……?あの作品の中に飛ばされたんじゃなくて別の似たような作品か……?もしくは前提として間違ってて異世界にすら来てないとか……?」


 暗くなり始めた事で不安が大きくなり始める、もし異世界に来ている場合は魔物なんかのモンスターに心配。現実の世界のままだとしても森の中だ、熊やイノシシが当然の様にいるはずだ。


 頭の中でグルグルと考え、フッと笑ってしまう。

あれだけハイファンタジーの小説を読みながら

 「主人公は何をこんなに迷ってるんだよ」

とイライラしたことも少なくない。だが正に自分がその状況に陥っているのだ。


 あれだけ妄想の中ではスムーズに行動していたのに現実に起こるとこうなるのだ


 さて、改めてどうするか。と考えた始めた時、近くの草むらから音がして素早く身構えた、構えたところでどうなると言うわけでは無いんだけどな。


「ッ………」


 ガサガサと音が段々と大きくなって来るにつれ、緊張感が増してくる。


(モンスターは来るんじゃないぞ、熊とかも来るなよ!来るならうさぎとか一人の寂しさを補えるもの!)


 果たして、茂みから現れたのは。

まずは意図的に削られ形を整えられた穂先、そして現れる長い柄。つまり槍だ。


 ゴクリと唾を飲み込み思考が高速で活動を開始する、石で槍を作って実際に森にいる動物を狩る。俺の中の常識だと異世界でしか有り得ない。故に俺は異世界に来ていたという達成感を感じた。


 そして、その余韻を感じる間も無く視覚が次の情報を脳に伝える。確定的、確実な現実。槍を持った人物が現れた。

 

 その正体は、

「エルフ!?」


 ビクッ!と身体を硬直させたかと思うと茂みから半身を乗り出していたエルフと思われる人物がサッと踊り出ると石製槍を突きつけた


「貴様、何者だ」

 




ぐへへ

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