善と悪の子供
性善説と性悪説について小説に書こうと思っていたのですが、なかなか機会がなく、ちょうどニコ動にハマっていた時期だったので「じゃあ作曲しちゃえ!」と書いてしまった作詞紛いものです。
書く予定のストーリーをそのまま作詞したようなものなので、作詞というよりプロットに近いかもしれません。
いづれ小説の方も書く予定です。
あらすじを読んでの期待は全て裏切る自信があります。ご注意ください。
UPするものがあまりにもなくて封印していた過去の遺品をさらけ出すという暴挙。あまりにも恥ずかしくなったらその内下げます。
ある日ある時、生まれた子供。
一人は善を、一人は悪を、魂にまで刻まれた双子。
気まぐれな科学者たちの悪戯な戯れ。
その日目覚めた子供らに、科学者たちは口を揃えてこう言った。
「どうして君たちは生まれたのだろう」
無感動な言葉だけ残し、何も知らない子供たち。
打ち捨てられた箱の中、命の意味さえ知ることはなく。
嘆く嘆く鸛。
廻る命を悪戯に、狂わせ壊し造ったと。
理を外れた子供たち。
もうその環には戻れまい。
ある日ある時、恋を知った子供。
一人は嘆き、一人は憂い、心に響く知らない感情。
気まぐれな女神の悪戯な戯れ。
その日目覚めた子供らは、顔を合わせ手を添えて、夢も現にこう言った。
「どうしてあなたは美しいのだろう」
理由のない感情だけ知って、何も分からない子供たち。
打ち捨ててられた箱の中、想いの意味さえ気づくことはなく。
見つめ守る慈しみの天使。
汚れない瞳そのままに、健気に生きるその姿。
儚く脆くも美しい。
さあその姿で触れ合ってごらん。
ある日ある時、科学者たちは、気まぐれに二人を引き裂いた。
一人は悪を、一人は善を、魂にまで刻みつけた双子。
運命を自らで決めるため、胸に翳した紅の刃。
後に転がるはただの屍。
そこに佇む片割れの子供。
涙を流しこう言った。
「どうして生まれてきたのだろう」
意味のない言葉だけ残し、全て失った子供たち。
打ち捨てられた箱の中、涙の意味さえ知ることはなく。
笑う笑う憎しみの悪魔。
外れた運命をそのままに、醜く生きるその姿。
哀れで愚かな人の性。
さあその姿で足掻いてみせろ。
ある日ある時、生まれた子供。
一人は善を、一人は悪を、魂にまで刻まれた双子。
気まぐれな科学者たちの、戯れの果て。
手に持つ刃の紅を見て、ポツリと小さくこう言った。
「どうして生きているのだろう」
何も知らない子供たち。
打ち捨ててられた箱の中、命の意味さえ知ることはなく。
誘い惑わす嘲りの死神。
踏み外した運命をそのままに、姿を変えて生きていく。
幸か不幸か知る術もなく。
その姿で、さあ、どこまで生きる?
打ち捨てられた箱の中。
朽ちていくのは二つの骸。
合わさった手を絡め合い、最後に知った命の温もり。
生まれた意味を、少しだけ知った……。