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「第九軍団のワシ」

いきなり苦言だが、最近、アカデミー賞監督の立派な作品でも小さい劇場で二週間ぐらいしかやらないことが多い。


経済が不景気なためかもしれないが、政治や経済がダメな分、芸術、文化は頑張って欲しい。



ということは本当は私は無関心で、劇場で私一人しかいなかったが、感動にふるふるしていた。



「第九軍団のワシ」。


世界的歴史作家ローズマリー・サトクリフの原作を、アカデミー賞監督のケヴィン・マクドナルドが映画化したのだが、うならされたのが宮崎駿がこの原作の映画化権を買って日本を舞台にしたアニメにしようとしていたことである(-_-;)



ナウシカ、ラピュタ、もののけ姫に通じるものが確かにある。


また「ロードオブザリング」が大人向きにビターかつ激しくなった感もある。




古代ローマ帝国時代、現代のイギリスは帝国に従わず、国土はハドリアヌス皇帝の長城で分断されていた。


長城の内側はローマ帝国。外側はドルイドなどがいる魔境。



そしてワシを紋章とする第九軍団が長城の向こうで一夜にして消える。



何年も後、第九軍団の将軍の息子は父と第九軍団のワシを探しに冒険に出る。


そして伴にブリテンの奴隷の美青年を連れて行く。



とにかく面白いので、この先観て!という感じだが、ちょっと内容を論評しますので、ネタバレ御免の方はここでさようなら。






実はこの奴隷の青年が本当の主役で、スティーブン・ダルドリー監督が発掘したジェイミー・ベルが美事に演じている。

主演男優賞当確!


ローマの将軍の息子は頑張り屋だが、異民族への偏見や優越感に満ちたけっこうイヤなやつで、どんくさい。



がむしゃらに冒険に出るがすぐ敵につかまってしまう。


そこで奴隷のジェイミー・ベルは将軍の息子を救うため、自分が冒険をしていて、こいつが奴隷なのだと主張。



この危険な冒険がハッピーエンドになるか、バッドエンドになるか是非予想して確かめて欲しい。


あなたの心キレイ度が明らかになるだろう!(-_-;)



そして、もう一つの巨大なテーマがせり上がってくるが、古代ローマ帝国は実はアメリカの喩であり、アメリカの世界各地への暴力を告発しているのだろう。

美事な作劇である。


ちょっと残酷なシーンもある激しい作品なのだが、決して損はしないとお約束する。



最後の最後まで息をつかせない。

おすすめ。



ぴいえす。原作は岩波書店から出版されております。

まあファンタジー小説とか手を出すなら読んだ方がいいんじゃないかと思ふ。

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