「クレアモントホテル」
「スコット・ピルグリム」「ザ・ホークス」そしてこの「クレアモントホテル」と年間ベストワンクラスの傑作が相次いでいる。そういう時期が不思議とあるものである。
この「クレアモントホテル」は非常に上品、端正な作品で決して大ヒットはしていないが非常に親しみやすい秀抜な作品だった。
クレアモントホテルという古びたホテルにサラという老婦人がやってくる。
海外ではホテルに暮らすという習慣があり、富豪と貧困層の中間の老人たちがホテルに滞在しながら余生を過ごしている。サラはクレアモントホテルにすごく期待していたが、少し古びたホテルで、風変わりな老人たちが不思議な感じで暮らしている。
小道具の使い方が粋で、昔の話なのかと思ったら老人たちは「セックスアンドザシティ」を見て、盛り上がっている。しかしサラはワーズワース(イギリスの文豪)を愛読する上品な婦人だった。ある日老人たちのリーダーの頼みでロレンスの「チャタレイ夫人の恋人」を借りに行くとルートヴィクというハンサムだが貧しく文学好きな青年に出会う。
そしてサラとルートヴィクの不思議な愛情と友情がほんわかと描かれ、さりげないのに飽きが来ない。ルートヴィクはサラの夫が好きだったウィリアム・ブレイク(これもイギリスの文豪)が好きなど細部の設定が秀逸。
ラストはどんでん返しというより非常に静かで上品だけど、是非ご覧下さい。
老い、生きる、文学、家族といったテーマが声高でなく上品に、だけどしっかりと描かれ、本当に心にしみます。生きることの賛歌でした(;_;)




