✒ 教会と神父様 2
──*──*──*── 応接室
神父:キャロメンド
「 救世主スドゥ様──。
どうぞ、お座りください 」
救世主:スドゥ
「 はい 」
聖堂から応接室へ移動してる途中で、何名かの修道士や修道女とすれ違った。
すれ違った修道士達や修道女達は皆、アスベイル神父を見ると必ず立ち止まって頭を下げて挨拶していた。
アスベイル神父、貴方はどんだけ偉い立場の神父様なんですか!?
アタシは向かい側に座るアスベイル神父に〈 大陸神コビダエニカの御遣い様 〉の石像にしていた事を正直に話してみた。
信じてもらえるかは分からないけど、証拠にアタシ宛の手紙もテーブルの上に置いて読んでもらう事にした。
神父:キャロメンド
「 ──事情は何と無く把握しました。
ただ此方の手紙に書かれている内容ですが──、私には読めません 」
救世主:スドゥ
「 あっ──!
ウッカリしていました!
手紙には僕の故郷の文字で書かれていて── 」
神父:キャロメンド
「 いえ──、私には何も書かれていない白紙に見えますので…… 」
救世主:スドゥ
「 えっ??
白紙ですか?
そんな筈は── 」
アタシは便箋を広げて確かめてみる。
ちゃんと日本語で文字が書かれている。
救世主:スドゥ
「 僕には文字が見えるし、読めるんですけど── 」
神父:キャロメンド
「 その手紙は〈 大陸神コビダエニカの御遣い様 〉から救世主スドゥ様へ宛てられた手紙の様ですね。
どうやら救世主スドゥ様にしか読めない仕様となっているのでしょう。
無くさぬ様に大事になさってください 」
救世主:スドゥ
「 …………分かりました 」
神父:キャロメンド
「 封筒に手紙を頂いた日付と何処で頂いたのか書かれた方が良いかも知れませんね。
手紙が増えた時に整頓もし易くなると思いますよ 」
救世主:スドゥ
「 あ……それもそうですね。
有り難う御座います 」
アスベイル神父はペンを貸してくれた。
アタシはアスベイル神父からペンを受け取って封筒の上に日付と場所を書き込む事にした。
アスベイル神父は現在の西暦みたいなのと日付を教えてくれた。
神父:キャロメンド
「 森の中の村──ですか? 」
救世主:スドゥ
「 はい。
この世界に来た時に訪れた最初の≪ 村 ≫なんです。
聖職者のカテーナさんや村人さん達に良くしてもらって──。
御世話になったのは2日だけでしたけど、≪ セオセチマの街 ≫への行き方を教えてもらったり、旅に必要な必需品の一式を用意してくれたり──。
親切にしてもらいました。
アスベイルさんは、あの≪ 村 ≫の名前を知っていますか?
カテーナさんに聞くのを忘れちゃって── 」
神父:キャロメンド
「 ………………その森の中に在る≪ 村 ≫は、この≪ 村落 ≫から徒歩で5日程の場所に在りましたか? 」
救世主:スドゥ
「 そうですね。
筏に乗って川を下って来ました。
それから徒歩5日で≪ 村落 ≫に着く事を教えてもらいました 」
神父:キャロメンド
「 そうですか……。
これも〈 大陸神コビダエニカの御遣い様 〉の思し召しかも知れませんね 」
救世主:スドゥ
「 あのぅ…………アスベイルさん? 」
神父:キャロメンド
「 ≪ 村 ≫名前でしたね。
アルベス──です。
確か、その様な名前だと聞いています 」
救世主:スドゥ
「 “ アルベス ” ですね?
有り難う御座います 」
最初に立ち寄って御世話になった≪ 村 ≫の名前を1枚目の封筒に書き記す。
ペンをアスベイル神父へ返したら、便箋を封筒の中へ入れて、魔法の鞄の中へ入れた。
神父:キャロメンド
「 救世主スドゥ様は滞在中、どの様に御過ごしになられる御予定ですか? 」
救世主:スドゥ
「 えぇと──、実は…………やらないといけない事が有りまして………… 」
アタシはアスベイル神父に〈 大陸神コビダエニカの御遣い様 〉の石像へ “ 勇気の魔法 ” を込めないといけない事を話した。
“ 勇気の魔法 ” を込める前に、“ 勇気度数 ” なる物を上げないといけない事も話した。
“ 勇気度数 ” を上げる為には、悩める相手に “ 勇気の御裾分け ” をして、心のこもった「 ありがとう 」を集めないといけない事も話した。
心のこもった「 ありがとう 」を集める為には、“ 質の高い勇気 ” を悩める相手に “ 御裾分け ” をしないといけない事──、その為には共感性や信頼度を高める必要がある事も話した。
神父:キャロメンド
「 そうですか──。
悩める人達に “ 勇気の御裾分け ” をして背中を推して手助けする必要が有るのですね 」
救世主:スドゥ
「 はい……。
僕は……人と接するのが苦手なので──、どうもハードルが高くて………… 」
神父:キャロメンド
「 それでは先ず──、人と接する事から慣れてみてはどうでしょうか?
教会は人の出入りが多いです。
悩める人も多く来られます。
先ずは祈りに来られる村人達に声を掛けて、挨拶をする事から始められては如何ですか?
顔見知りになれれば、自然と他愛のない話も出来る様になります。
村人達と気軽に雑談が出来る事を目的に取り組まれてみてはどうですか? 」
救世主:スドゥ
「 挨拶から…………。
そうですね!
挨拶なら僕にも出来そうです!!
有り難う御座います、アスベイルさん 」
ニュイ
「 にゅにゅい 」
神父:キャロメンド
「 どう致しまして。
救世主スドゥ様が御役目を果たせる様に、私も微力ながら御手伝いさせて頂きます 」
救世主:スドゥ
「 有り難う御座います。
心強いです(////)」
そんな訳で、なんか知らないけどアスベイル神父が協力してくれる事になったみたい。
教会で偉い立場の人に手伝ってもらえるなんてラッキーなんですけどぉ♪♪♪
よぉ~~し、明日から張り切って頑張るぞぉ!!