⭕ 教会と神父様 1
──*──*──*── 教会
???
「 ──何方でしょうか?
神聖な教会内では御静粛に願いしたいのですが── 」
救世主:スドゥ
「 Σ(  ̄□ ̄;)
──はっ!?
ご…御免なさいっ!! 」
???
「 おや?
見慣れない御方ですね。
観光客の方ですか? 」
救世主:スドゥ
「 え……えぇと──。
( うっき゛ゃぁ~~~~~~(////)
人が居たぁぁぁぁぁぁ!!??
教会だし、当たり前か!
何処から聞かれてたのぉ~~~~(////)
は……恥ずかし過ぎるぅ~~~~ )」
突然、見知らぬ相手に声を掛けられてアタシはパニクってしまって上手く話せない。
怪しい人だと思われて教会から閉め出されて出禁扱いされちゃうかも知れない!?
どっどうしよう……。
ニュイ
「 にゅ~~い!
にゅいにゅにゅ~~ 」
アワアワと慌てふためいているアタシの代わりにニュイちゃんが何かを訴えるかの様に体を動かしながら鳴いている。
???
「 ………………申し訳ありませんね。
人間の私にはスライムが伝えたい事が分からないのです。
スライムは動物や怪物の様に鳴きませんので…… 」
救世主:スドゥ
「 えっ??
あの──ニュイちゃんの鳴き声が聞こえないんですか?? 」
???
「 はい。
どうやら貴女はテイマーの様ですね。
此方のスライムは貴女がテイムされたテムモンですか? 」
救世主:スドゥ
「 あの──、僕はスドゥって言います。
異世界から転移召喚された救世主らしいんです……。
この子は虹色スライムのニュイで──、僕を助けてくれた命の恩人なんです 」
???
「 異世界から転移召喚──救世主様……ですか? 」
あれれんれぇ……??
この反応は信じてもらえてない??
疑われてる感じぃ??
救世主:スドゥ
「 あ……あの──、聖堂で煩かったのは済みませんでした…… 」
取り敢えず、声を荒げていた事は素直に謝っておこうと思う。
頭を下げて謝罪をする事で、常識人だと思い直してもらいたいからね!
???
「 謝罪は受け入れましょう。
申し遅れましたね。
私は此方の教会で聖職者統括を任されている神父です 」
救世主:スドゥ
「 神父様……そうですか…… 」
確かに神父の格好をしてるね。
気が動転していて気付かなかったわ……。
聖職者統括神父
「 アスベイル・キャロメンドと言います。
聖職者の皆からは “ キャロメンド神父 ” と呼ばれています 」
救世主:スドゥ
「 キャロメンド神父様……ですね 」
アスベイル・キャロメンド
「 救世主スドゥ様でしたね。
私の事は気軽に “ アスベイル ” と呼んでくださって構いません 」
救世主:スドゥ
「 えっ──でも、聖職者統括って偉い人なんですよね?
名前呼びなんて失礼に当たるんじゃ…… 」
神父:キャロメンド
「 救世主様は聖職者ではありませんので、気にしないでください 」
救世主:スドゥ
「 有り難う御座います……。
あの──、アスベイルさんは僕が “ 救世主 ” だって事を信じてくださるんですね 」
神父:キャロメンド
「 勿論です。
稀少で珍しい虹色スライムを仲間に出来るテイマーは存在しませんし、テムモンとして相棒にされている事が何よりも “ 救世主である ” という証拠になります。
安心してください 」
救世主:スドゥ
「 そう……なんですね……。
良かったね、ニュイちゃん 」
ニュイ
「 にゅにゅ~~ 」
神父:キャロメンド
「 ふふふ…。
本当に虹色スライムと意思の疎通が出来ているのですね。
何という幸運でしょうか 」
救世主:スドゥ
「 幸運なんて──、大袈裟じゃないですか? 」
神父:キャロメンド
「 ちっとも大袈裟ではありませんよ、救世主スドゥ様。
処で教会へは祈りを捧げに来られたのですか? 」
アスベイル神父から聞かれたから、アタシは教会に立ち寄った理由を話してみた。
勿論、≪ 村落 ≫に滞在する間、宿泊させてほしい事を仄めかしながらね!!
神父:キャロメンド
「 ──そうでしたか。
それならば滞在中に使って頂く部屋を用意させましょう。
食事も毎食分、此方で御用意させて頂きますね 」
救世主:スドゥ
「 食事まで用意してもらって良いんですか?
とても助かります。
教会の御厚意に感謝致します(////)」
此処は丁寧に御礼を言っとこうと思う。
宿泊だけじゃなくて料理まで食べさせてもらえるなんて有り難いもんね!
神父:キャロメンド
「 救世主スドゥ様は謙虚な御方なのですね。
他の救世主様とは大違いです 」
救世主:スドゥ
「 えっ?
アスベイルさんは僕以外の救世主と出逢った事が有るんですか?? 」
神父:キャロメンド
「 これは失礼しました。
≪ 王都アースメイヤ ≫に在る神殿本部で聞いた話です 」
救世主:スドゥ
「 神殿本部?? 」
神父:キャロメンド
「 聖職者は皆、≪ 王都アースメイヤ ≫に在る神殿・アースメイヤ本部に籍が有ります。
アースメイヤ本部から≪ 都 ≫の神殿総支部,≪ 街 ≫の神殿支部への異動があり、≪ 町 ≫の神殿や教会,≪ 村落 ≫の教会,≪ 集落 ≫の教会へと派遣されているのです。
私も≪ セオセチマの街 ≫に在る神殿・セオセチマ支部への異動があり、此方の教会へ派遣されている神父の1人なのです 」
救世主:スドゥ
「 そうなんですね…… 」
本部から支部へ異動させられての派遣神父か。
でもでも、偉い立場の神父様って事は変わらない訳だよね……。
態度や言葉遣いには気を付けないと!
神父:キャロメンド
「 そう言えば──、〈 大陸神コビダエニカの御遣い様 〉の石像に触られてましたね。
何をされておられたのですか? 」
救世主:スドゥ
「 ぎっくぅ──。
見てたんですかぁ~~(////)」
神父:キャロメンド
「 はい♪
〈 大陸神コビダエニカの御遣い様 〉の石像に悪戯をされては困りますので、観察させて頂いていました 」
救世主:スドゥ
「 …………それは観察じゃなくて監視なんじゃ……。
滞在する間、教会に御世話になる訳ですし、正直に話させて頂きます 」
神父:キャロメンド
「 お聞きかせ頂きます。
それでは懺悔室の方へ── 」
救世主:スドゥ
「 懺悔する様な内容じゃないですからぁ!! 」
神父:キャロメンド
「 救世主スドゥ様、教会式冗談です♪」
救世主:スドゥ
「 ………………笑えませんって── 」
神父:キャロメンド
「 聖堂では何ですし、応接室でお聞きします。
御案内致します 」
アスベイル神父の案内でアタシはニュイちゃんと一緒に教会の応接室へ通される事になった。