⭕ 此方を見て! 1-2
救世主:スドゥ
「 ふぅわぁ~~!
美味しぃ~~♥️
やっぱり出来立ての串焼きは美味しいねぇ 」
ニュイ
「 にゅにゅ~~♪♪ 」
救世主:スドゥ
「 う~~ん、5本じゃ物足りなかったね 」
ニュイ
「 にゅ~~ 」
救世主:スドゥ
「 あはは!
もっと食べたいの?
よぉ~~し、他の屋台や露店でも買っちゃおう! 」
ニュイ
「 にゅにゅ~~♪♪ 」
実はアタシ、財布を持ってないんだよね~~。
買い物する時に支払う硬貨は、全部ニュイちゃんが出してくれるの。
アタシはアスベイル神父の厚意で修道士見習いとして教会で過ごさせてもらえている状態だから、“ お金を持ってない ” って事にしないといけない──気がするんだよねぇ~~。
ニュイちゃんは石ころサイズの砂金と硬貨を持っている。
硬貨は≪ 村 ≫でカテーナさんから手渡された物。
カテーナさん達が砂金を使える様にって両替をしてくれたんだよね~~。
それだけじゃなくて──、ニュイちゃんは体内に入れた物質を別の物質に変換させる事も出来るみたいなの!
砂をアルミニウムに変換させたり、布を黄金に変換さたり、草を鉛に変換させたりとからね!
いやね、嘘みたいに凄いのよ、ニュイちゃんってぇ!!
ニュイちゃんは金貨,銀貨,銅貨とか欲しい分だけ体内で作れちゃう訳で──、生ゴミや排泄物ですら黄金,銀,鉄,オリハルコン,宝石類とかに変換させる事が出来ちゃうから、ニュイちゃんさえ居てくれたら、アタシは飢え死にしないで安心な旅をする事が出来るって事みたい。
太っ腹じゃないの~~?
こういうサービスは有り難いよね!
これはニュイちゃんとアタシだけの秘密にしてるの。
勿論、アスベイル神父にも秘密にしているよ。
ニュイちゃんの凄さが知られちゃったら、ニュイちゃんは捕まって解剖されちゃうかも知れない。
まぁ、ニュイちゃんなら解剖される前に呑み込んで消化しちゃうかも知れないけど??
アタシはニュイちゃんと一緒に色んな屋台や露店を回って料理を買って食べ歩きを楽しんだ。
可愛い小物なんかも見付けて、ついつい買っちゃったりもした。
救世主:スドゥ
「 ふぅ~~……。
結構、歩いたね~~ 」
ニュイ
「 にゅにゅ~ 」
救世主:スドゥ
「 教会じゃあ味わえない美味しい料理も食べたし、可愛い小物も買えたし、満足かな~~♪ 」
ニュイ
「 にゅ~~にゅ 」
救世主:スドゥ
「 ニュイちゃんに似合うリボンも買えたし。
リボンを付けてれば、ニュイちゃんに持ち主が居るって事が分かるし、野生の野良スライムじゃないって知ってもらえるから乱暴な扱いもされないと思うし? 」
ニュイ
「 にゅにゅ~~い 」
救世主:スドゥ
「 そうだね。
ニュイちゃんに悪さをする悪党は食べちゃって良いよ。
ニュイちゃんに悪さする奴等は、“ ニュイちゃんに食べられる覚悟を持ってる ” って事だからね!
自然界は弱肉強食なんだもん。
治安を良くする為に貢献するんだからさ、ゴミ掃除だと思えば良いよね 」
ニュイ
「 にゅ~い! 」
救世主:スドゥ
「 そうだよ、ニュイちゃん。
正義は我等に有り!
悪党相手になら、大義名分なんて幾らでも作れちゃえるからね! 」
ニュイ
「 にゅい! 」
救世主:スドゥ
「 アスベイル神父へのお土産も一杯買えたね。
この美味しい食べ物を賄賂として手渡してぇ、買収するんだよ。
ふへへ 」
ニュイ
「 にゅにゅい 」
救世主:スドゥ
「 教会や聖職者に対して良く思ってない村人達の事情も分かったし、収穫の多い散歩だったね 」
ニュイ
「 にゅい 」
救世主:スドゥ
「 じゃあ、そろそろ教会へ戻ろっか 」
アタシが両手を広げるとニュイちゃんは嬉しそうに飛び込んで来る。
ニュイちゃんをキャッチしたアタシは、ベンチから腰を浮かせて立ち上がる。
虹色のニュイちゃんの正面には、アタシが買った真っ赤なリボン。
似合ってるし、可愛い~~(*≧з≦)♥️
教会へ向かって歩いていると、見知らぬ女性に声を掛けられた。
女性
「 貴方……キャロメンド神父様と知り合いなのね 」
救世主:スドゥ
「 はい??
えっと……どちら様ですか?? 」
女性
「 これをキャロメンド神父様に渡してほしいの(////)」
救世主:スドゥ
「 えっ??
箱……手紙ですか?? 」
嫌だぁ、何々怖いんですけどぉ~~~~!!
箱の中に生首とか動物の死骸とか入ってないよねぇ~~。
救世主:スドゥ
「 え…えぇと……中身が分からない不審物は教会の敷地内へ持ち運べない事になってるんですぅ~~。
ご…御免なさい…… 」
女性
「 不審物じゃないわ!
貴方、失礼ね!
手紙よ、て・が・み!!
キャロメンド神父様ファンクラブのメンバー皆でキャロメンド神父様へ想いを綴ったラブレターを書いたの♥️
読んで頂きたいから直接、手渡してほしいの! 」
救世主:スドゥ
「 た…唯のラブレターだっていう証拠は?
1通だけでも封を開けて読んでも良いかな? 」
女性
「 はぁ?
貴方、ふざけてるの!
叶わぬ恋する乙女達の気持ちが込められたラブレターを他人のアンタが読んで良いと思ってんの?!
許される訳ないでしょ!! 」
救世主:スドゥ
「 ひえっ──。
わ…分かりました……。
アスベイル神父は忙しい方なので、読まれるか分かりませんけど──、お渡しさせて頂きますね? 」
女性
「 フン!
素直で宜しい。
分かれば良いのよ!
ちゃんと渡すのよ!! 」
胸が無駄にデカい巨乳の女性から強引に渡された箱は意外にも重たい。
一体何れだけのラブレターが入ってるんだか──。
救世主:スドゥ
「 ニュイちゃん──、要らない荷物が増えちゃったね… 」
ニュイ
「 にゅにゅ~ 」
救世主:スドゥ
「 えっ?
ニュイちゃんが運んでくれるの? 」
ニュイ
「 にゅにゅ 」
救世主:スドゥ
「 有り難う、ニュイちゃん 」
アタシは箱をニュイちゃんの頭の上に乗せる。
ニュイちゃんは頭の上に箱を乗せた状態で軽々と動く。
救世主:スドゥ
「 ニュイちゃん、重くない? 」
ニュイ
「 にゅ~い 」
救世主:スドゥ
「 ふふっ。
ニュイちゃんは力持ちだよね。
助かるぅ~~ 」
ニュイ
「 にゅ~~にゅ 」
元気にピョンピョンと飛び跳ねるニュイちゃんと一緒に教会へ戻った。