✒ 気が付いたらスカイダイビング
──*──*──*── 何処かの空
???
「 ──ひぃぃぃぃやぁぁぁぁぁ~~~~~~!!!!
たぁぁぁぁぁすけぇてぇぇぇぇぇぇ~~~~!!!!
死にたくなぁぁぁぁぁい~~~~~~!!
こんな死に方は……嫌ぁぁぁぁぁ~~~~!!!! 」
アタシは洲導彩榎──。
14歳の中学3年生で、来月に開催される花火大会には誕生日を迎えて15歳になる女の子!
何でアタシが空の上で叫んでいるのかと言うと────、絶賛 “ 落下中 ” だから★でっす!!
何で中学3年生の可愛いい女子中学生が、空の上に居て、落下中なのかと言うと────、アタシも良く分かってなかったりする。
アタシはコンビニに居た筈だ。
今日は午前中だけの半ドンで、終業式だった筈。
何でかって?
明日から夏休みだからね!
今日は1学期が終わる終業式で──、学校からの登下校中にコンビニへ立ち寄ったんだよね。
何でかって?
アタシの両親は共働きをしているから、アタシは鍵っ子なの。
帰宅しても誰も居ないから、昼御飯を買う為に立ち寄ったんだ。
お弁当,カップ麺,スナック菓子,アイスクリーム,冷凍食品,レトルト食品,雑誌とか色々と買って、コンビニから出ようとしたら────、思い出せない。
コンビニを出たのか覚えてないなんて、どうかしてる。
あっ、コンビニに寄ったのはアタシ1人じゃなくて、他にも居たんだよね。
“ ゆっこ ” と “ もなこ ” っ呼んでたアタシの友達で、2人共アタシと同じ女子中学生だよ!
“ ゆっこ ” と “ もなこ ” と一緒にコンビニから出た筈なんだよね……。
だって、音が聞こえたから!
コンビニの自動ドアって、開くと音がなるじゃない?
音が鳴ったのが聞こえたから自動ドアを通って、コンビニから出た筈!
自信は無いけどぉ~~~~。
仮にコンビニから出たとして──、何で空の上でスカイダイビングなんてしてるのぉぉぉぉぉ~~~~~~!!??
何時まで落ち続けるのか分からない。
結構な距離を落下してると思うんだけどぉ~~~~、未だに地面が見えない。
そう言えば──、アタシは何故か手ぶらだ。
コンビニで買った商品を入れていたエコバッグが無くなってるぅ!!
お気に入りのエコバッグだったのにぃぃぃぃぃ~~~~~~!!
限定品だったのに、こんちきしょぉぉぉぉ~~~~~~!!!!
このまま落ち続けて地面に激突したら死ぬ!!
確実に死ぬ!!
全身の骨が粉々に砕けて、体内の臓器の類いなんてグチャグチャに潰れちゃって、頭も潰れて脳ミソが飛び出ちゃうかも?!
きっと大量の血液が地面に飛び散るんだろうね!
なんて無惨な死に方なのかしらね?!
絶っっっ対に嫌だぁぁぁぁぁぁ~~~~~~!!!!
誰でも良いから助けてぇぇぇぇぇ~~~~!!!!
森が見えて来た!!
いよいよ地面と御対面??
遠くに街が見える。
う~~~~ん??
お城が見える??
何で日本に外国に建ってる様なお城が在るの??
ラブホテル??
大きな湖も見える。
森の中にも村が在るみたい。
横幅の長い川も流れている。
広い森の向こうに砂漠も見えてる。
洲導彩榎
「 …………日本じゃないの??
何処なの??
此処って外国の何処なのぉぉぉぉ~~~~???? 」
森が迫って来ている。
早く何とかしないと本当に死んじゃうぅぅぅぅ~~~~!!!!
洲導彩榎
「 何でも良いから、アタシを助けてぇぇぇぇ~~~~!!!!
地面に激突するなんて嫌ぁぁぁぁぁ~~~~!!!! 」
アタシは叫びながら両手を前に出した。
両手を前に出したからって、柔道を習ってないアタシには受け身なんて取れないけどねぇぇぇぇ~~~~!!
いよいよ地面が見えて来た時──、アタシの両手の甲が緑色に光った。
何で光ったのか分からないけど、アタシの掌から地面に向けて光が放たれた。
ぽよん────。
ぽむぽむぅぅぅ~~~~ん、ぽよぽよぉぉぉぉ~~~~ん。
アタシは地面との正面衝突を避ける事が出来たみたい。
ぷよぷよ、ぷにぷにしている何かのお蔭で助かったみたい。
アタシは透明な “ 何か ” の上に乗っかってるみたい。
何の上なのかな??
ゆっくりとだけど地面が近付いて来る。
どうやらアタシは本当に急死に一生を得て命拾いしたみたい。
洲導彩榎
「 はぁ~~~~…………良かったぁ~~~~。
死んでない…………。
生きてるぅぅぅぅ~~~~(////)」
アタシは助けてくれた透明な “ 何か ” に御礼を言いながら撫でた。
洲導彩榎
「 アンタは私の命の恩人だね。
有り難うね、ぷにぷにさん…… 」
アタシは透明なぷにぷに軽く口付けをした。
まぁ、感謝の気持ちみたいな??
???
「 にゅ~~~~(////)」
洲導彩榎
「 へ?
『 にゅ~~ 』って何ぃ?? 」
???
「 にゅ~~ 」
洲導彩榎
「 にゅ~~??
もしかして──、君の声なの??
君が鳴いてるの?? 」
???
「 にゅ~~ 」
洲導彩榎
「 ……………………マジかよ 」
アタシは透明な物体から地面に降ろしてもらった。
「 にゅ~ 」と鳴く物体は、どうやらスライムみたい。
アタシだってゲームをしたり漫画を読んだり、アニメを見たりしてるから “ スライム ” ぐらいは知ってる。
【 ドラゴンクエストシリーズ 】に登場するスライムじゃなくて、どっちかと言うと【 ぷよぷよシリーズ 】に登場するスライムに似ている。
目は無いんだけどね。
体内に光を取り込んでいるのか、光を反射させてるのか分からないけど、スライムは虹色をしていて綺麗……。
ぷるんぷるん──していて、肌触りも良好だ。
洲導彩榎
「 えぇと…………体の中に緑色の光が見えてるね。
私の両手の甲に浮かび上がってるマークと同じだよね? 」
スライム
「 にゅ! 」
スライムはぽよんと体を揺らすと短く鳴く。
洲導彩榎
「 もしかして、私の言葉が分かるの?? 」
スライム
「 にゅにゅ~ 」
洲導彩榎
「 マジかよ──。
人間の言葉が分かるスライムとか凄くないかな?
いや、凄いに決まってるし!! 」
スライム
「 にゅ~にゅ 」
洲導彩榎
「 えっ?
名前を付けて欲しいの? 」
スライム
「 にゅ~~ 」
洲導彩榎
「 名前かぁ……。
命の恩人に変な名前は付けれないよねぇ 」
スライムに名前を付けるなんて困ったな。
アタシ、ネームセンスが無いんだよねぇ……。
何て名前を付けたら良いんだろう……。
アタシは考えて考えて考えて考えて、漸く決めた。
洲導彩榎
「 よし、決めた!
君の名前は──、“ ニュイ ” にしようと思うよ。
どうかな? 」
「 にゅ~ 」とか「 にゅい 」って鳴くから “ にゅい ” って名前に決めただけなんだけどね。
1番シンプルだし、短くて呼び易くて忘れ難いと思うんだよね。
スライム
「 にゅにゅ~~(////)」
スライムは嬉しそうにピョンピョンと飛び跳ねてくれている。
どうやら気に入ってくれたみたいで一安心だね。
洲導彩榎
「 宜しくね、ニュイ。
私は “ 洲導彩榎 ” だよ。
彩榎── 」
ニュイ
「 にゅにゅい!
にゅにゅい~~。
にゅにゅい~ 」
洲導彩榎
「 “ 彩榎 ” って呼んでくれてるの?
有り難ね 」
ニュイ
「 にゅにゅ~~(////)」
ニュイは嬉しそうにアタシの周りを飛び跳ねている。
あはは(////)
可愛いな~~♥️♥️♥️
癒されちゃうな~~~~♥️♥️♥️
ニュイのお蔭で助かったけど、これからどうしたら良いのかな?
今は森の中みたいだし…………。
森から出た方が良いかな??
街とか在ったし……、街に向かう??
いやいやいや、先ずは森の中で見た村を目指して歩いてみる??
……………………確か、川沿に歩けば村に辿り着けるんじゃなかったかな??
取り敢えず行ってみるか。
森の中で野宿するのも嫌だしぃ~~。
洲導彩榎
「 ニュイちゃん、この森の中に村が在るみたいなんだけど、知ってる? 」
ニュイ
「 にゅ?
にゅい! 」
洲導彩榎
「 知ってるんだ?
良かったぁ~~。
川沿いに行けば辿り着けるよね?
川ってどっちに行けば良いのかな? 」
ニュイ
「 にゅ~~ 」
どうやらニュイちゃんが川まで道案内してくれるみたい。
この森の事を知り尽くしてるスライムなのかも知れない。
洲導彩榎
「 ニュイちゃん、案内してくれるの?
有り難ね 」
ニュイ
「 にゅにゅ 」
アタシの前をピョンピョン飛び跳ねて道案内してくれるニュイの後ろを歩く。
森の中では鳥の鳴き声が聞こえる。
動物の鳴き声も聞こえて来るけど、姿は見えない。
熊とか猪とか狼とか──、肉食動物から襲われずに村へ着けると良いんだけど……。