表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

5/7

第5話 いやいや、俺達の場合はそもそもカップルには絶対見えないだろ

「じゃあ適当にあちこち見て回りながらプレゼントを探そうか」


「ああ、アドバイスよろしく」


 俺達は二人でショッピングモール内にある小学四年生の女の子が欲しがりそうなプレゼントを売ってそうな店を中心に見て回り始める。


「なあ、この変身ベルトとかどう思う?」


「いやいや、その系統から選ぶなら魔法少女のステッキとかの方が絶対良いだろ」


「うーん、私的にはこっちの方が格好良いと思うんだがな。あっ、じゃあこっちにあるティラノサウルスのロボットは?」


「女の子なんだからもっと可愛い物の方が良いと思うぞ」


 やはり桐生さんの感性は普通の女の子とは明らかに違っていた。多分俺が一緒についてこなかったら今年もプレゼントのセンスがないと言われていたに違いない。


「ちなみに桐生さんの妹って最近何かハマってる事とかあるのか?」


「最近は母さんと一緒に料理を作る事だな」


「それならエプロンとかプレゼントしたら喜ぶんじゃないか?」


「なるほど、早速見に行こう」


 俺と桐生さんはおもちゃ屋を出てキッチン用品店へと向かう。そして二人でどのデザインのエプロンが良いかを考え始める。


「女の子だしやっぱりこの猫がプリントされたデザインの物が俺は無難だと思う」


「私的にはこっちのドクロとかスポーツカーのプリントがされてる物の方が惹かれるんだけどな」


「断言するけどそれは絶対喜ばないから辞めておいた方がいい」


「そうかな……」


 桐生さんはあまり納得のいってなさそうな顔をしていた最終的には俺が選んだ猫がプリントされたデザインのエプロンで良いと言ってくれた。

 ひとまずエプロンを候補の一つに入れて他の店もあちこち見て回る。だがエプロン以上に良さげな物が見つからなかったためエプロンを買う事にした。


「よし、これでプレゼント選びは完了だな。用事も済んだしもう帰るか?」


「せっかくここまで来たんだから私はもうちょっといたい」


「なら一旦カフェとかで休憩しない? 結構歩き回って疲れたし」


「だな、そうしよう」


 俺達は飲食店街へと向かい始める。フードコートという手をあったがどうせだったら落ち着ける場所で休憩したかったためカフェを選んだ。

 早速飲食店街にあったカフェの中に入ったわけだがすぐに失敗だったと思い始める。なぜなら周りがカップルだらけだったからだ。これは入る店を完全に選び間違えたな。


「……場違い感が半端ないな」


「急にどうしたんだ?」


「ほら、周りがカップルばっかりだからさ」


「言われてみれば確かに」


 桐生さんは俺に言われるまで全然気付いていなかったらしい。


「でも私と最上も男女で来てるんだからそんなに浮いてはない気もするけど」


「いやいや、俺達の場合はそもそもカップルには絶対見えないだろ」


 もし仮に俺と桐生さんが本当に付き合っていたとしてもカップルと思う人はほとんどいないに違いない。

 多分周りからはヤンキーに無理矢理連れ回されている取り巻きみたいな感じに見られているのではないだろうか。


「ふーん、そう言うもんか。てかめちゃくちゃ今更なんだが私と二人きりで買い物なんかにきて最上は良かったのか?」


「ん? 急にどうしたんだ?」


「いや、ここのショッピングモールって割と学校の近くだろ? だから誰かに私と連んでいるのを見られたら余計に人が寄ってこなくなるんじゃないかと思ってな」


「ぼっちだから別に周りからどう思われてもどうでも良いし、全く気にしてない」


 昔からぼっちのため人が寄って来ない事になんて慣れていた。正直大人数で群れるのは苦手なため今のままで良いとすら思っている。


「逆に聞くけど桐生さんこそ俺なんかと二人きりで抵抗は無いのか? 実は俺がとんでもないクソ野郎で桐生さんを人気の無い場所に連れ込んで手を出す可能性とかもあるかもしれないけど」


「最上はそんな事するような奴じゃないだろ、それにもし手を出されそうになったとしても多分私の方が強いから返り討ちにできると思うし」


 桐生さんはケラケラと笑いながらそう口にした。どうやら俺は自分で思ってた以上に桐生さんから信用されていたらしい。

 てか、俺は桐生さんよりも弱いと思われているのか。まあ、俺は割と細いため桐生さんから簡単にノックアウトされそうな気しかしない。


「あっ、ここは私が奢ってやるよ。今日付き合って貰ったお礼だ」


「ありがとう、じゃあ遠慮なく頼ませてもらうわ」


「おう、何でも好きに頼んでくれ。別に高い物でも全然構わないからな」


 俺は桐生さんと一緒にメニューを見始める。高い物でも別に構わないとは言っていたが別にたかるつもりは全く無かったため俺はホットコーヒーだけを注文した。


「桐生さんってひょっとして甘党か?」


「何で分かったんだ?」


「だって明らかに甘そうなホットココアとパフェを注文してたから」


「実は甘いものに目がなくて」


 ブラックコーヒーなどを好んで飲んでいそうなイメージがあったためちょっと意外だ。桐生さんに対して少しギャップ萌えを感じてしまった事は秘密にしておこう。

【読者の皆様へ】


お読みいただき、ありがとうございました!


少しでも面白い! 続きが読みたい! と思っていただけたら、

『ブックマーク』と広告下の【☆☆☆☆☆】を【★★★★★】にしていただけると幸いです!


評価ボタンは、モチベーションに繋がりますので、何卒応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ