バイクにまたがって
バイクを求めて街を歩き回って最後に見つけたバイク店、山の上のうっそうとした茂みの中にその店はあった。
「お姉ちゃん、早く!見て、バイク店がこんなところに」
「はい、はい」
店を見たお姉ちゃんは若干顔を引きつった。
「いやぁ、この店大丈夫?」
私は強く拳を握り絞め、目を輝かせた。
「いやこの店はあたりの店だよ、絶対に、こういういかにもな店はいいものを置いていると決まっている」
店に入るとむわっとホコリとバイクとガソリンの匂いがした。店内にはたくさんのバイクがおいてあった。
「スズキのカタナにカワサキのZX-12Rかいいねぇ、おおっこれはドゥカティの750SSイモラレプリカじゃないかよいねぇ」
「きょうか、よくわかるわね、私には全部同じに見えるけど」
しかし、店をいくら回目的の目的のNM4-02はなかった。私はとても落ち込んだ。
「もうこのバイクでいいんじゃない」
お姉ちゃんが指さした先にあったのは古き良き懐かしきピンクのモトコンポであった。
「うわぁー本田技研工業が1981年に発売した原動機付たたむとたたむと車のトランクに積むことができる。商業的には成功しなかったけどユニークなコンセプトと外観から現在も根強い人気があるモトコンポだっ」
「うん、長い説明あこれにするこれにする?」
「うん」
私はモトコンポにまたがりエンジンをかけた。発進するとすぐに右に倒れた。お姉ちゃんはため息をついて
「はぁ、まずは自転車から始めたら」
「トホホ」