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終末とお姉ちゃん
朝、起きたら終末世界になっていた。助けを求めて東京の街を歩いても一人も人間はおらず、なぜか世界は一晩だというのに東京の街は緑が生い茂り、動植物で溢れかえっていた。お姉ちゃんはすごく焦っていた。私も十分くらい焦っていた。歩き疲れて日陰で休んでいた時に気が付いたのである。終末世界、人類がいなくなった。お姉ちゃんと二人きり、つまり、お姉ちゃんを独り占めすることができる。
終末世界の絶望の朝が私にとっての希望の朝に変わった。
「お姉ちゃん、私怖い」
姉は私をそっと抱いて、
「大丈夫、大丈夫だからね」
私は興奮した。齢25歳成熟しきった大人の体、柔らかい唇、大きく膨らむ胸、シルクのような肌、耐えろ自分、精神を強く持つんだ。性欲を抑えるのであるぞ、自分
私は終末世界で怖がる幼女を演じることで姉に守られる対象になったのである。この成功に笑みがこぼれそうになるがじっと耐えて、いたいけな少女を演じた。