バカップルの二人
バカップルシリーズということで相変わらず台詞のみ。
一応前作は「バカップル手前の二人(N3139H)」。
「うーん、全然見られないね」
「そうか? さっきからオレ、何回か見てるけど」
「えっ! 何で言わないのよ!」
「お前いい加減グーで殴るのをやめろよ……先に見たって言ったらそれこそお前に殴られるだろ」
「そ、そんなこと、ないよ?」
「なんという分かりやすいリアクションなんだ……ま、流れ星くらい見られなくたってどうもしないだろ」
「せっかく流星群を見るために丘まで登ってきてるのに、見られなかったら悔しいでしょ」
「それだけなのか?」
「それだけよ」
「てっきり願いごとでもするつもりじゃないかって思ってたけど、やっぱお前はちょっと普通の女とは違うな」
「叩かれたいの?」
「殴ってから言うな」
「ま、流れ星が流れている間に三回願いごとをすると叶うなんて、迷信よ迷信。そんなことで叶ったら何の苦労もしないわよ」
「それはお前らしいけど……あ、また流れた」
「ホントだ! いつまでも一緒にいられ……あ」
「…………」
「何よ、なんか文句あるの?」
「いや、ツッコむ気にもならないって言うか」
「な、流れ星に願いごとしただけじゃ叶わないってことよ! 願いごとは私自身で叶えてみせるんだから」
「はあ……ちょっと静かにしようぜ、まわりの迷惑だ」
「えっ、スルー!? そんなの納得でき……んっ!」
「願い、ちょっとだけ叶えてやったから」
「バ、バカ! これは流れ星のおかげなんかじゃないんだからね!」
「はいはい、わかったわかった」
「絶対分かってなーい!」
たまたま今日、空を見上げたら花火の玉の一つのような流れ星。
そういえば最近、オリオン座流星群というイベントもあったよな。
ということで、流星群というネタをもって、以前「バカップル手前の二人」で登場した二人に再登場いただきました。
相変わらず600文字ジャスト。ただし今回は「原稿用紙カウンター」基準。