6話 交わる錯綜
ジュリアスは唖然としながら、シネラリアのお姫様に質問する。
「神の声?力?なにを言ってるんだ」
シネラリアの姫様は優しい笑顔から、真剣な顔になる。
「私の名はステラ・シャンタル・レティシア。法と秩序を守る者です。
貴方も聞いたはずです天の声を」
ジュリアスは月を見てステラに笑いながら「天の声か笑えるな」と言い、月を
睨む。
「この世界に神などはいない。居るのは世界を支配する者と支配される者
だけだ」
ステラは悲しい顔しジュリアスに語る。
「私が初めて啓示を受けたのは十四歳の時でした。ある人をシネラリアの
国で救うために」
「そのある人は救えたのか?」
「救えませんでした」
「死んだのか?」
ステラは俯き静かに言う。
「いえ、けどーーーーその方は過酷な運命を背負うことになるでしょう」
一方そのころ
「シリウス会合の事で話とはなんだ?」
「エンハンス王国に反乱してる反乱軍の事だ」
エルナトは馬鹿にしたように笑い言う。
「反乱分子などたかが知れてる。敵にするほどでもないだろう」
シリウスはジュリアスがいつ来るのか気にしてた。
「けど、現王レグルス王は帝国に国を売った王として国民は反感を
感じてるようです」
エルナトは鼻で笑うようシリウスに言う。
「レグルス王は属国になることで王国を守ったんだ。それがわからない
下民の意見など放っといてもいいのでは」
シリウスはエルナトの言葉を聞き指摘する。
「確かに戦争は防げたけど、いつか王国は大規模の内乱が起こるのでは?」
エルナトは話が長くなりそうだと思い退出しようとする。
慌ててシリウスは呼び止める。
「エルナトまだ話は終わってないぞ!」
「その話は今することではないのでは」
そう言いエルナトは部屋から退出する。
ステラは左手を胸に当て目を瞑った。
「あなたとこうお会いできお話ができてよかったです」と言い去る。
ジュリアスはベルクックスたちの所に戻りシリウスが戻ってる
事に気付く。シリウスはジュリアスに近づき静かに喋る。
「すいませんボス引き止められませんでした」
「いやよくやったよ。俺の方も思いもよらないことがあくて」
シリウスは不思議そうにジュリアスは見る。ベルクックスがジュリアス
を見て手を振り呼ぶ。ジュリアスはベルクックスの所に行こうとする。
「計画は失敗だまた後で連絡する」とシリウスに言い去る。
ベルクックスはジュリアスに聞く。
「今まで何処に居たんだ?」
「体調が悪くなり夜風にあたってました」
「そうか先にお前だけでも帰るか?」
「そうさせていただきます」と言い去り際にアトリアに呼び止められる。
「おーいリゲル君もう先に帰るのかい?」
ジュリアスはアトリアの質問に答える。
「体調が悪くお先に失礼させていただきます」
アトリアは最後に笑いながらジュリアスに言う。
「何か困ったことがあったらお姉さんの所に来るといい。私はシャウラの
郊外の屋敷にいる」
ジュリアスは笑顔で礼をいい去る。
二週間後の夜
ベルクックスとジュリアスは一緒に夕食を取っていた。
「ジュリアス修行の調子はどうだ?」
「何ももんだいない」
ベルクックスは笑い何か欲しい物はないかと聞きジュリアスは少し悩み
新しい服が欲しと言い、どんな服がいいかと聞かれ答える。
「全身が黒い服で戦闘に向いてる服がいい」
ベルクックスはそれを聞き後で手配するといい夕食を終える。
ジュリアスは自室に戻り眠りにつく。ジュリアス夢を見た。幽閉去れていた
頃、ドア越しに母と会話したことを。ジュリアスは母がドア越しで泣いていた
事を知ってる。朝になり目が覚めアルヘナは屋敷の庭で一人で刀を素振り
してた。ジュリアスはアルヘナに水を渡す。
「ありがとうございます。今日は早いですね」アルヘナは笑いながら言う。
ジュリアスはこの間のパーティーで会ったアトリアについて聞く。
「アトリア様は子爵でシャウラの町の警備を任されてます。けどあまり
良くない噂も聞きます」
ジュリアスはその噂について聞く。
「はいその噂がバビルス帝国に王国の情報を売ってるということです」
ジュリアスは顎に手を当てて、アルヘナに質問する。
「その情報は、エンハンス王国の貴族の情報も持ってるてことか?」
「噂ではそうだと思いますけど噂なので確かな事は」と言う。
ジュリアスはシリウスの屋敷に行くと言い、屋敷に向かう。
シリウスは屋敷にジュリアスを招き、メイドがテーブルに紅茶を置き去り
シリウスはジュリアスにこれからの事を聞きジュリアスは紅茶をゆっくり
飲みシリウスに言う。
「このままでは何も変わらない。アトリアの所に行こうと思う」
シリウスは心配そうな顔をする。
「確かにアトリアの噂は聞くが確かではない危険では?」
ジュリアスは立ち上がり窓に近づきシャウラの町を眺める。シリウスは町を
眺めるジュリアスの後姿を見つめる。
「・・・・危険を冒さなければ目的は達成されない」
シリウスはそれを聞き、アトリアに面会を申し込みますと言う。
二日後
ジュリアスとシリウスは馬車に乗り、シャウラの郊外アトリア屋敷に
向かい到着する。
二人は執事にアトリアが居る部屋に案内される。アトリアは椅子に座り
事務作業してた。
「すまないねシリウス今忙しくてね終わるまで待っててくれないか」
ジュリアスは事務作業してるアトリアの机に近づき口を開く。
「お話があるのは僕です。パーティー以来ですねアトリア様」
アトリアはその声を聞き驚きながら声の主の顔を見る。
「これはーーー驚いたまさか本当に来るとは!」アトリアは落ち着き話す。
「それで話とは何だい?まさか!ベルクックスこんな可愛らしい子供の
面倒見てないとか?」
ジュリアスは微笑みながらアトリアに否定する。
「いえ、違います。今日お話ししたいのはある人物の情報を知りたくて」
アトリアの顔から笑顔が消え真剣な顔になりシリウスを見る。
「君は噂を聞き私の元に来たと。王国の裏切者だと思ってるのかい?」
ジュリアスも真剣な顔になりアトリアが自分を問いただしてることに気が付く
「いえーーーー僕は貴方が裏切者でも構いません。僕には目的があるんです」
「まさかベルクックスの子供がそんなことを言うとは」アトリアは笑いシリウスを睨みつける。
「シリウス何のつもりでベルクックス伯爵の子供を連れてきた。その本当の
意図を聞くまでは帰れないと思え!」
シリウスも真剣な顔つきになりアトリアに言う。
「本当の意図を聞きたいのならば、人払いをして欲しい」
アトリアは執事を部屋から退出するよう伝え執事は部屋から退出する。
「アトリア話すのは目の前にいるボスが話す」それを聞き、アトリアは
疑問に思う。
「ボスとはなんだ?」
ジュリアスはアトリアを真剣な眼差しで見つめ語る。
「騙してすいません。僕はリゲル・アルタイルではないのです。
本当の名は・・・・ジュリアス・クローディア」