1話 別れ
愛情は憎しみに
希望は絶望に
約束は裏切に
エンハンス王国城内の部屋で王・王妃そして12歳の王子が待機していた。
王が王子に近づき真剣な顔で言った。
「ジュリアス人間は恐怖で自我を失う。それは決し罪ではない。だから国民を恨んではいけない」
「父上とお別れなんて嫌だよ!・・・行かないで」
ジュリアスは泣きながら王に抱きついた。
王もそれに応えるようジュリアスを、強く抱いた。
部屋に男が入ってきて王に言う。
「父上時間です!王を処刑場に連れていけ」兵士が王を連行しようとする。
王は王妃に言う。
「アケラ・・・ジュリアスを頼む」
「わかりました。あなた・・・愛してるわ」
兵士が王を連行する。男も部屋から退出しようとしかけた時、ジュリアスが
男の前に立ちふさがる。
「どうしてお兄ちゃん父上を何で、何でわからないよ!」
「幼いおまえにはわかりはしない」男は部屋から退出し廊下を歩きながら呟く
「これも王国を守るため」
王フロリアン・クローディアは処刑され3ヶ月後王妃と王子は幽閉された
王妃と王子は別々の部屋だった。王妃は扉の外にいる、兵士に尋ねる
「あの子は元気ですか?」兵士は答える
「はい・・・元気ですご心配なく」
「おい食事だ。」兵士がパン2つにコップ一杯のミルクを渡す
そこの部屋は窓が一つで月明かりに照れされて扉の前に置かれる食事をとりに来るジュリアスだった。
王妃とは違い部屋も食事・服装が貧相でジュリアスの黒髪はボサボサで体も痩せていた。
ジュリアスは食事を受け取り部屋の隅に行きご飯を口に入れるがうまく喉に入らず吐いてしまう。
「汚ねえな吐いたもんは自分で掃除しろよ」兵士が言いジュリアスは上着を脱ぎ吐いた物を
黙々と拭く。
そんな生活が続き兵士の行動もエスカレートし始め、兵士たちはジュリアスの食事を食べたり
ひどい日は、ジュリアスに暴行していた。
そんな生活が2年間続き王妃の処刑日が近くなった。
王妃は部屋から出て兵士に連行されながら言う。
「最後にあの子に会わせてもらえませんか?」
「それはできません。命令なので」
王国の将軍がゆっくり歩きながら王妃に近づき言う。
「顔見ることはできませんが、扉の外からなら話してもよろしいですよ」
「将軍それは命令に違反しませんか?」兵士が尋ねた。
「王子とは最後なんだ最後くらい許してやれ我がクラウスの顔を立ててくれ」
兵士は頷き、王妃は将軍に声を震わせながら感謝の気持ちを言う。
「ありがとございます。」
王妃は扉の前に立ち口を開く。
「ジュリアス私です。アケラです」
扉の奥から微かな声がした。
「・・・お母さん?」
王妃は声を聞き取り涙を堪えて声を震わせ言う。
「お母さんよちゃんとご飯食べてる?」
「うん・・・お母さんの顔みたい」
「ごめんねそれはできないの・・・ジュリアスお母さん少し遠くの所に行くの」
「また会える?」
王妃はその言葉を聞き堪えてた涙を流してしまう。
「もう会えないけど・・・ずっとあなたのことを思っているわ」
「お母さん・・・僕も」
将軍が小さな声で王妃に「そろそろ行かなくては」
「お母さん行かなくちゃ元気でね・・・愛してるわずっと」
王妃は兵士に連行され幽閉されてたサテライト城を出た。
読んでいただきありがとうございます。
次回を楽しみにしてもらえば嬉しく思います。