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ホントのカラダを探しています  作者: keitas
トルネオ王国編
38/101

35。どうしてこうなった

前話(仮)のラストがわかりづらかったので加筆、修正しました。

 目の前で好きな人が他の女にキスされた。

 私はとても戸惑っている。


1.好きな人というだけで彼氏ではない。

2.キスされた体は私の影だ。

3.見た目完全に百合…女同士の過剰なスキンシップ。

4.ガラタナの国では普通なのかな??

5.え? ていうか何で今それしたの?


 ……思うこと沢山あってわけがわからなかった。


 ガラタナは大きく目を見開き、ディアナさんの両肩を掴んで引き離し、何か話したあと、肩に掛けていたポーチからお金を出して彼女に渡した。


 ポカーンとしていたら、ガラタナと目が合い、腕をとられて引かれた。

 彼女を見ると、こちらを見てニヤニヤ笑っていた。

 その笑顔は胸の中をざわつかせた。


 何か……ガラタナみたいな気の聞いた嫌味を言えればスッキリしたんだろうか……浮かばないけど。



 宿まで腕を引かれ、私の部屋に入った。

 私はベッドに座り、ガラタナはソファーに座った。


 聞きたいことは山ほどある。


「……さっきの……お付き合いしてた人?」


 ガラタナの肩がビクッと動いた。


 そんな怯えなくても……キスされた後のガラタナの態度は完全にディアナさんへの拒絶だった。

 あんな不意打ち避けようもないし、ガラタナを責める気はない。


「お付き合い……好きだと言われた事も、言った事も無いけれど傍から見たらそう思われても不思議ではない関係ではあった」



何とも回りくどい言い回し。目が泳いでいるし……。

その態度に少しイラッとした。


「つまり、今の私たちみたいな?」

「違う!ルナとはそういうんじゃない」

 ガラタナは勢いよく立ち上がった。


───ルナ……ね。


「……まぁ私たちはキスもしてないし、違うよね」


 言い方が嫌味ったらしくなってしまった。

 いつものガラタナなら「したいの?」とか言って茶化してくるけれど、さすがに今回それはない。というかそんなことされたら殴る自信がある。


「ルナには……セノオに対するみたいな気持ちは湧かなかった」

 普通の状態でそれを聞けば、少しうれしい言葉なんだろうけど……心が更に冷たくなる。


「気持ちが湧かなくても、するとこはしてたんでしょ? あんな簡単に女性からキスが出来るくらいだし。ガラタナは女慣れしてるもんね」

 ガラタナを責めるつもりはないのに口から出るのはそういう言葉だけ。


 ……私は2人のキスを見て傷ついていたんだと今頃わかった。


「俺が女慣れって言うより……ルナにも複数相手はいたし、あっちも慣れてると思うよ」

「“にも”って、ガラタナにも複数相手が居たのね」

「───っ」


 ガラタナは珍しく動揺しているらしくて見事な穴掘り職人になっている。

 どおりで付き合った人数が言えないわけだ……付き合ったことも無かったんだから……どうしてもジト目でガラタナを見てしまう。


「この国にディアナさんがいたのはガラタナを探していたんじゃないの?」

「ルナは自作のアクセサリーを売る行商として各地を回っているから仕事で来てるんだと思う。まさかこんな遠くまで来てるとは思わなかったけど」


 ガラタナはそういうけれど、ディアナさんはこの国の言葉を話せなかった。そんな状態で国外で仕事する?

 仕事してたとしても合間にガラタナを探してたんだと思う。よくわからないけれど女の勘。


「──呆れてる?」

 顔をあげるとガラタナはすぐ目の前にいた。


「……展開に付いていけないでいる」

「ルナとは何となくウマがあって仲が良かったただけで、セノオに対するみたいに、その……先まで考えるってのは無かったんだ」


 先……って? え? プロポー……いや違う。ディアナさんとは付き合っても居なかったから、「先」はお付き合いの話だよね。


 というか、体の関係があるのに付き合ってもいないって……お父さんとお母さんは結婚してもいいくらいお互いに引かれあってたようだから、まぁ例外として。


「友達レベルでもそんな簡単に出来るものなの……ね」

「まぁ、男だし……するしないは個人によるけど、大抵の男は出来ると思う」

「友達……言うなれば私とトールがってことでしょう?」

「──っ」


 ガラタナは私とは全く違う文化で生きてきた。

 理解できる気はしないが、思考を寄せるくらいは出来るかなと、トールとそういったことになることを考えてみたが、ペッタンコはちょっとね! と爆笑するトールしか浮かばなかった。あのやろう。


 ディアナさんは……すごかったな。

 あのくらいあれば、男の人を誘うくらいわけないのだろう。

自信の塊なんだろう。

 ガラタナもそんな経験豊富なら私なんかじゃ足りないんじゃないのか……。


 遠くを見つめて色々と思いを巡らせていたら、ガラタナが抱きしめてきた。


「ちょっ!?」

「他の男との事を考える方が悪い」

「考えてない!! トールも私じゃ不服だと思う!」


 更にガラタナの腕の力が強くなった。

「…不服なんて言ったらぶっ飛ばす」

「意味がわかんないよ!!」


 おかしい。ガラタナはさっきまで私にビクビクしていたはずなのにどうしてこうなった!

 何か、形勢逆転出来ることはないか!


 はっ!! 1個だけ腑に落ちないことがまだある!


「ガラタナだってさっきから“ルナ”“ルナ”って!! ガラタナだけが呼ぶ愛称だってジエンタさんが言ってた! なんかそれ嫌だ!」

 そう叫ぶと、また更に強くなり、私の左首筋に顔を埋めてきた。

 せっ背骨が折れる……。

 何か打開策は無いかと、頭に浮かんだのはカナエ婆さんの宿でガラタナがやったこと。


 確か……。


「────っ!?」


 ガラタナはバッと私から手を離し、首筋を押さえて床に尻餅をついた。

 成功した……私もあのとき首を吸われて驚いたんだよね。

 どや顔を披露したら、ほんのり顔を赤らめたガラタナが口を開いた。

「……セノオ、これキスマークだって知っててやってんの?」

「はぇ?」

 変な声でた。私はガラタナにやられたように首を吸っただけなんだけど……ガラタナの首を見ると小さく赤い印がついていた。

「───────っ!?」


 これが!!噂に聞くキスマーク!!!!こうやってつけるものだったの!?

 なんて事をしてしまったんだと、真っ赤になって布団に潜った。


 その後聞こえてきた「何で俺今男じゃないんだ」という呟きに私は更に顔を赤くすることになった。


『ご馳走さま』部屋のスミでジエンタさんは二人の様子を羨ましそうに眺めていた。




読んでいただきありがとうございました。

誤字脱字ありましたら申し訳ありません。


次はケルトの家に引っ越します。


また読みに来ていただけると嬉しいです(*^^*)

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