女神との邂逅
こんな感じでなんとか頑張っていこうと思います。
あれ?ここどこ?
意識が戻り、目覚めた俺は見知らぬ真っ白な空間にいた。
えっ?何?まさか、テンプレ?
俺は、暇なときはだいたいゲームか異世界物の小説を読みあさっていたので大体の状況は理解できた。でも、現実的に考えると絶対にあり得ない状況である。
「はっはは……はぁ~。」
俺は乾いた笑い声を出し溜め息をついた。
「いやいや、あり得ないでしょこれ。えっ?何?あれか?明晰夢ってやつか?それならまだギリギリ理解できる。いや、それ以外この状況を説明することができん。うん。そうだ。明晰夢だ。そうにちがいない。」
「いや、違うよ?」
!?
驚いて振り向けば、そこにはビックリするほど綺麗な女性がいた。
優しいクリーム色の枝毛の存在を一切感じさせない背中にまで伸びるストレートな髪。目は垂れ目でクリッとした瞳。プリッとした唇。出ているところは出ており、引っ込むところは引っ込んでいる完璧なボディ。スラーーっと伸びる綺麗な脚。そんな、言葉では言い表せないような美貌を持っているヒト?がいた。
「いや~~ん、そんな、綺麗だなんて。もう照れるじゃない。」
「えっ?い、今心を………。」
「ええ、読んだわよ。」
「失礼を承知でお伺いします。あなたは、その、女神様であられますか?」
「ええそうよ。私は女神フローラ。様々な世界を管理する神よ。まぁそれは過去の話ね。今はもう2つくらいしか管理してないわ。」
「そのうちの1つってもしかして地球ですか?」
「そうよ。もう1つはあなたが召喚された世界ね。」
「えっ、俺は召喚されたんですか?じゃあなぜ俺はここに?」
「それはね、そのままあちらの世界に召喚されたら何がなんだか分からないでしょう。だから、いろいろ説明するためにここに呼んだのよ。それに、私の加護を与えないといけないしね。」
「ふむふむなるほど……って!、加護!頂けるんですか!」
「そりゃぁねぇ、あげるわよ。せっかくここまで来てくれたんだしね。よしっ、じゃあそろそろお喋りはこれくらいにして説明しましょっか。」
「はい、お願いいたします。」
「じゃあいくよ、あなたが召喚されたのは、セシル王国のまぁ勇者召喚?ってやつだと思う。勇者って言われるだけあってステータスは心配いらないと思うわ。それに後で俗にいうチートをあげるからオッケーよ。それに勇者って言ってもそんなに束縛されないとは思うけど……。まぁその辺は自分でなんとかしなさいね。後は………そうだ!一応聞くけど、元の世界に帰りたいとか思ってる?」
「いえ、大丈夫です。確かに父とか母とかには会いたいとは思いますけど、こっちの世界で何が出来るかなど、やりたいことをやりたいと思っています。」
「そっか~分かったわ。よしっ!じゃあチートあげるからこの中から2、3個選ぶといいわよ。」
するとフローラは透明な板を渡してきた。
「ふむふむ、いっぱいあるなぁ~。こういうの一度してみたかったからな~。迷いますね~。……………………う~~ん、ここはやっぱ無難なのが良いよな。うん、決まりました。」
「そう?じゃあどれ?」
「はい、この経験値10倍と必要経験値10分の1とスキル取得度2倍でお願いします。」
「おぉ、無難に強いやつを選んだね。オッケー分かったわ。………ふん!」
キラキラと光の粉がフローラの両手から出てきて俺の体に纏わりついて染み込んでいった。
「これでもう、使えるんですか?」
「ええ、さてこれでもうここですることは無いかな。そろそろ向こうに行こっか。」
「そうですね………少し名残惜しいですが行ってきます。」
「はい、行ってらっしゃい。」
その時俺の足元に神々しい魔方陣が現れて、また俺の意識は暗転した。
「ふぅ~、行ったわねやっぱり人の相手は大変だわ。自分の部屋でゴロゴロするのが一番ね。あの子これからいろいろ苦労すると思うけどまぁ大丈夫でしょう。だってあの子は……………だしね。」