無能転生〜口の悪い妹たちに囲まれて限界です!〜
私は30才。しがないサラリーマンです。
巨大も部長に「なんでこんなこともできないんだ!ありえないよ?君、正直お荷物!会社の不良債権ってこと自覚してる?」
と散々ぱら怒鳴り散らされました。
死にたい。
いつまでこんな人生続くんだろう。
子供の頃からいじめられっ子でした。でも苦労した分
、大人になってから見返りがあるだろうと辛くても生きてきました。
気づけば30。
もう逆転はありません。人生消化試合です。
あー何かいい死に方ないかな。苦しくなくてすぐ終わる奴・・・
すると、いきなり後ろから衝撃があり、僕の意識はなくなりました。
後で知りましたが、背後から音の小さいプリウスが時速75キロで近づいており、僕はひかれました。
僕は悩むあまり自分が車道を歩いていることに気づいていなかったのです。
僕は死にました。
「イテテ・・・どこだここは・・・」
目を覚ましたら広大な草原の上にいました。
「うん?なんか飛んでるな・・・・あ、あれはドラゴンだ!・・・てことはここは異世界!やった!異世界転生だ!やった!生きてて良かった!あ、死んでんのか。まあいいや。これで美少女ハーレム俺ツェー人生の始まりだ!!フハハハハ!!酒池肉林じゃ!フハハハハ!!」
するとこちらにトコトコと白いシャツを着た黒髪のスレンダー美少女が歩いてきました。
キター!!第1美少女発見!!
美少女は私を見るとこう言いました。
「なんだ、ウンコかと思って見に来たら、ただの無能リーマンじゃねーか。あ、ウンコも無能も似たようなもんか。」
そい言うと美少女は言ってしまいました。
なんだ?今の?ツンデレか?ツンデレなのか?随分ハードめのツンデレ来たな。まあ、あいつ以外にも可愛い子いるだろどうせ。
すると今度は青い髪をした巨乳タートルネックの知的美少女が来ました。
キター!!第2美少女発見!!
青い髪の美少女はこう言いました。
「死ね。」
続けざまに赤い髪をした低身長の激ロリ美少女が来て言いました。
「無能リーマンの分散でノコノコ異世界来てんじゃねーよ。わきまえていろよ。わきまえろていろよ、この不届き者が。」
その次に緑色の髪に眼帯をしたクール美少女が
「なんかよくわかんねーけど口臭ーよ。おまえ。」
黄色い髪をした元気美少女が
「私ほのかっていうの!!よろしくね!!あっ、あなたには言ってません。こっち見ないでください。気持ち悪いんで。」
出家した坊主の美少女が
「悪霊退散!!消えうせろ!!この台所のしつこい汚れ以下のウジ虫リーマンクソ野朗!!貴様は全人類の末代までの恥じゃ!!貴様で末代だけどな!!」
ママチャリに乗ってきた少し老け顔の美少女が
「この糞リーマンの母でございます。
このたびは、息子がこのような粗相を犯してしまい、 皆様には大変ご迷惑をおかけしております。深くお詫び申し上げます。
息子は幼い頃に父親を亡くし、そのショックで内気な子供になって しまいました。そのせいか、小・中学校ではいじめにあっていたのです。
この年になるまで、恋人はおろか友達さえもいないようで、大変心配 しておりましたが、某小説投稿サイトを知って以来、息子も 少し明るくなったようです。「今日なろうで誰かが10ポイントいれてくれたんだあ…」
と、とても楽しそうに夕食の時に話してくれるのです。
どうぞ皆様、息子を暖かく迎えてやってくださいまし。本当は良い子なんです。
よろしくお願い申し上げます。 」
今度はスーツを着たおっさんがやってきた。もはや美少女ではない。
「あっ、どうも美少女です。」
!?
「 我々は糞リーマンが何故この世界に来たのかという 疑問を解決するため、糞の故郷である群馬県に向かった。
「まだ日本にこんなところがあったのか…」
思わず口に出てしまった言葉を同行した上司に失礼だと咎められた。
小人が住むような小さな家、ツギハギだらけの服を着る農夫たち、
そして彼らは余所者で身なりのいい我々を監視する様に見詰めている。
高度成長だの、神武景気だの、オリンピックだので浮かれていた
我々は改めて農村の現状を噛み締めていた。
ボロ屑のような家に居たのは老いた母親一人
我々を見るなり全てを悟ったのか、涙ながらに
「息子が申し訳ありません」と我々に何度も土下座して詫びた。
我々はこの時初めて糞を許そうと思った。
誰が悪い訳ではない、農村の貧しさが全て悪かったのだ。
我々は糞の母親から貰った干し柿を手に、
打ちひしがれながら東京へと帰路についた。 」
言い終わるとおっさん(自称美少女)は行ってしまった。
気づいたら美少女達もどこかへ消えうせていた。
「・・・・・」
「・・・なんだよ、これ。2ちゃんねるだよ。これ。大昔の2ちゃんねるでクソスレ立てた時の反応だよ。罵詈雑言の嵐。なんて劣悪なんだ。なんて精神的治安の劣悪な異世界なんだ。てかもう異世界じゃねーよ。地獄だよ。地獄。死んで地獄落ちたのと変わんないよこれ。生きてた方がまだ良かったよ。」
僕はトボトボと歩き始めました。
この異世界という名の地獄の果てには何があるんでしょうか。分かりません。この続きは皆さんが想像して下さい。もう僕は思いつきません。それでは例のあのセリフで締めさせていただきます。
「俺達の冒険は始まったばかりだ!!!!!」
ご愛読ありがとうございました!!次回作にご期待下さい!!