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九十四話目 遭遇


5月14日、月曜日の更新で御座います。

本日も宜しくお願い致します。




 裕翔さん達と共に研究所の中に潜入……いや、バレてる時点で潜入っては言わないかな?まぁいいや、兎に角僕達は、地下を目指して進んでいたんだけど…。



「貴様らぁああああ!俺様のテリトリーで随分と好き勝手やってくれたなぁああああ!!」


 地下へ続くと思われる道の途中で、矢鱈めったら叫び倒す魔族に行く手を塞がれていた。


 本物のカベルネに出くわしてしまったんだ。



「今度と言う今度は決して逃がさんぞ勇者ユートよ!貴様は俺様がこの場で処刑してくれるぅうう!!」


 出会うなり唾を飛ばす勢いで喚きたてるカベルネ。


 そんな、初めて会った本物のカベルネは、既に誰かにやられたのか左耳が根元から千切れ、右足は膝から下がズタズタになっていて、既に片足だけなら原型を留めていない程ボロボロになっていた。


 スー君と良く似た、でもまるで雰囲気の違う顔を歪めながら、カベルネは僕らを睨み付け、キーキーと喚いている。真っ赤な長い髪の毛が、自身の耳から流れ出た血でべったりと肌に貼り付いていた。


 確かに僕達もこの場所で暴れはしたが、初めて会ったカベルネをこんな風にボコボコにした覚えは無いし、出来る訳が無い。第一僕達が暴れ始めてから1時間も経っていないしね?


 思えば、建物の入り口で見張りっぽい魔族と交戦した時も、既に魔族達(あいて)は傷だらけだった訳だし、明らかに僕達以外の誰かの手が加わっている事は間違いないだろう。


「カベルネ!?その姿は?」


「己らでやっておいて、ぬけぬけと何をぬかすか!貴様らが我が研究所を爆発させたのであろう!?しかも夜中に堂々と…。いつから勇者とやらは、そこまで意地汚い者の集まりになったのだ?」


 驚いた様子でカベルネから事情を聞こうとした裕翔さんに対し、カベルネが更に吠える。


 ……いやいやいや、裕翔さん優しすぎるでしょ?何、今まで散ざっぱら迷惑かけられてきた敵の大将の心配してるんですか!?


 とは、流石に言えず、僕は心の中の突っ込みをグッと飲み込んだ。




 さて、片方の耳が無くなり、片方の足が血だらけになってもカベルネの眼光の鋭さは失われていない。爛々とした目で、僕達、もとい、裕翔さんを睨み付けている。


 そう言えば、カベルネが怪我をした場合、すぐに治す為の装置がこの建物の中にある筈だってスー君が言っていたから、きっと治している隙も無かったのだろう。何せ、こいつは軽い怪我でもすぐに装置に入りたがるらしいからね?



「何の証拠があってその様な事が言える?確かに俺達はこの場に来たが、その時には既に建物内の彼方此方で戦いは起こっていたぞ?」


「ふんっ!それこそ何とでも言えるわ!俺様達は襲撃された際、誰の姿も見つけられなんだのだからなぁっ!?」


 たぶん真の敵は、互いを戦う様に仕向けて同士討ちさせたかったのだろうけど、そんな時に運悪く僕らが来てしまったのだろう。……いや、もしかしたら、この場に僕らが来る事も想定済みだったのかもしれない。


「フンッ!この様にいつまでも話していても無駄な事よ!先ずは目の前の敵を叩き潰すのみっっ!!」


「チッ!相変わらず人の話を聞かない奴だね君は!皆、いくよ!!」


「「「了解っ!」」」


「おうっ!」


「いっくぜー!?」


「よっしゃあ!」



 いよいよ本物の魔族の大将との戦闘が始まる。



ようやく本物のカベルネと遭遇です。

本物のカベルネに果たして裕翔一行は勝つことが出来るのか!!?



本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。

明日もこの時間に更新させて頂きますので、またお読み頂ければ嬉しいです。


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