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九十二話目 決行の日


お休みさせて頂き、ありがとうございました。

さて、5月12日の更新です。

本日も宜しくお願い致します。




 おはようございます。


 これから、寝起きドッキリを仕掛けたいと思います。


 ターゲットは宇美彦です。






 嘘です。


 あれから2日経ち、いよいよ決行日の明け方……と言うか真夜中になりました。


 何で急に敬語になっているかと言うと、前回魔族領に行った時よりも、何だかやけに緊張しているからです。


 さっきの嘘も、冗談でも言ってないと心臓が口から出そうなくらいバクバクいっているからで、何で皆がそんなに平常心でいられるのかが不思議なくらいなんです。



「じゃあスー君は僕のお部屋に居てね?必ず帰ってくるから、それまで僕のお部屋の番を宜しくね?」


「うん!分かッた!良いコで待ってル!」


「うん、宜しくね?」


「はーい!」


 ニコニコしながら右手を元気よく挙げるスー君の姿を見て、我ながらスゲー死亡フラグ立てたなぁ。とか考えていた。


 あれ?意外と余裕あるじゃん、自分。


「じゃあ、アトラとアルベルトさんはアジト待機で宜しくお願いします。もし何かあったら緊急連絡ボタンを押しますので、王様に連絡して下さい」


「えぇ、お任せ下さい。ですが、そのボタンが押される事が無い事を祈っております」


「皆、死ぬなよ?」


 学者のアルベルトさんが神妙な顔をしながらゆっくりと頷く。いつもは飯飯うるさいアトラも、今日ばかりは大人しかった。


 特にアトラは、自身の耳をペッちゃんこにしながら項垂れていて、顔がよく見えない。


 しかも、今回の遠征に対し何かを感じ取っているのか、さっきからずっと


「死なないでくれよ?」


 とばかりボソボソ言っている。



 あんまりフラグ乱立しないで!?


 とか大声出して言いたいところではあるけど、そんな調子のアトラ相手じゃいつもの様に軽口を言うことすら躊躇われて、結局僕は、そんな裕翔さんとアトラの様子を後ろから見ているだけに終わってしまった。


「シエロ、帰っテくるよネ?」


 アトラのただならぬ様子に感化されてか、スー君まで涙目になっている。慌てて僕はスー君に笑いかけながら


「もっ、勿論!帰って来たら、スー君が食べたいものを作るからね?何が食べたいか考えておいて?」


 と、話題を逸らした。するとスー君は真面目な顔で、


「僕、アレが食べたい!」


 と言ってきたので、


「あれ?」


 と首を傾げて考えていると、スー君は


「そうアレ!シエロが僕ニ、はじめて作ってくれタやつが良いな!」


 とニッコリ笑いながら答えてくれた。


 いや、結局答えてないからヒントをくれた。って言った方が良いのかな?でもまぁとにかく、彼に初めて作ったご飯と言えば、アレしかない。


「はじめて作ったやつって、お粥の事だよね?」


 そう。お粥。


 ママがスー君をキャッチアンドリリー…リリースはしてないか。捕まえた時に、余りに衰弱していたので出した、ほんの少しだけ塩味がついた、ただのお粥。


「あんなので良いの?」


「あんなノ違うヨ?僕、アレ食べたラ元気になっタ!シエロが作ってくれたあのご飯は、魔法のご飯なんだヨ!」


 あんなの。何てとんでもない!とばかりにスー君は熱弁をふるってくれている。


 たかだか僕の作った普通のお粥に、そんなに喜んで貰える日が来るなんて思ってもいなかった僕は、ついつい嬉しくなって、


「じゃあ分かった!帰って来たら、お粥パーティだ!君に色んな種類のお粥を食べさせてしんぜよう!」


 何て、軽い気持ちで約束をした。


「うわ~い!!」


 一瞬ヤベッ、安請け合いしたかも!?とも思ったけど、スー君の笑顔が見られるならいっか。


 一体何種類くらいお粥作ったらスー君はもっともっと喜んでくれるのだろうか?


 そんな事を考えていたら、いつのまにかガチガチに緊張して固まっていた僕の体は解れていた。


 よしっ、スー君の為にも頑張らなくちゃね?


 僕はそんなスー君の為にもと、気合いを新たに入れ直しながら、見送ってくれている彼らの姿を背に、アジトの扉をくぐったのでした。



バンバン死亡フラグを立てるシエロとアジトの面々でしたww


本日も、此処までお読み頂きましてありがとうございました。

明日も同じ時間に更新させて頂きますので、また宜しくお願い致します。


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