九十回目 グダグダ回
後生ですから、いつもグダグダじゃね?とは言わないで下さいね?
5月9日の更新です。
本日も宜しくお願い致します。
2019年4月11日 誤字修正致しました
「プルプルと可憐な唇に、麗しい瞳、お姉様は神話の世界から飛び出して来られた女神様ではありませんか?その若草色のお召し物が貴女様の色素の薄いキラキラした髪の毛の色と合間って、まるで僕の心の中に、爽やかな春の風が吹いてきたかの様な衝撃を受けました☆そうかっ!ラブハリケーンとはこの事だったのでしょうね!?まさに愛のハリケーン!!僕の心は貴女によって射抜かれてしまったのです!!!」
「あっ、ありがとう…?」
凄い熱量で風華をナンパ?している葵君に対して、流石の風華さんもドン引いている。
笑顔がひきつり過ぎて、最早笑顔ではなくなってるんだけど、それにすら葵君は気付いていないっぽい。って言うか、言い回しがどんどん馬鹿っぽくなってるのが気になる。
「あ~、今思った。風華さん、葵のどストライクな見た目してる…」
「えっ!?あっ、そんな理由だったんですか?」
2人から離れるついでに、食堂のカウンター席に座った僕と裕翔さんは、ボーッとしながら葵君と風華の様子を眺めていた。
「うん。あいつ、ザッツフェアリー!って感じの人大好きなんだぁ…。ほら、風華さんってペル○ナシリーズのティター○アみたいな見た目してるじゃない?葵、あればっかり使ってたからさぁ…」
「あぁ~。なる、ほど?」
意外な性癖を裕翔さんから暴露された僕は、ハートを撒き散らしている葵君を呆れ顔で見つめている。
いつもは間近で見ているナンパの光景も、離れた場所から見るのは何だか新鮮だ。
「あ~。話が思いっきり逸れちゃったんで何ですけど、スー君の心の中が空っぽだった理由って何だったんですかね?」
「あ~。それねぇ?俺も気になってたんだけどさぁ…。真相を知ってる2人があんな感じだしねぇ?」
「うわぁ!今、お姉様の目が光を反射してキラキラ輝いていましたよ?あぁっ!いっそ、その瞳に吸い込まれてしまいたかった!!」
「もう、君キモい!!うわ~ん!誰か助けてよう!!」
「「あはは……はぁ」」
まだしばらくはかかりそうな2人を見ながら、僕と裕翔さんは同じタイミングで渇いた笑いを漏らした。そう、僕らは見て見ぬふりを決め込んだのだ。
『『「心が空っぽだと言うのは、まだ心が幼く、頭で考えた事がそのまま口から出ているから。って事ですよ…」
と、渇いた笑いを漏らしていた僕ら2人の間に割って入ってくる様な形で、コローレが姿を現した。そして、そのままちゃっかり僕と裕翔さんの間の席に座り込む。
……あれ?こいつ、今どっから涌いて出た?
「えっ!?コローレまさかずっと僕の中にいたの!??き、気付かなかった…」
僕がビックリしながらお腹を服を上から抱きしめる様な仕草をすると、コローレは呆れた様な顔で、
「誰が主をみすみす危険な目に遭わせると言うんです?昨日から入ってましたよ?因みに、後2人入っていますので」
と、ピースサインを僕に向かってして見せた。
「えっ?2人?それだと後1人足らないじゃん!一体誰が足らないの?」
「マスターの中には実里姉さんとシャドが入っていますよ。あっ、俺は此処にいますから、全員揃ってますよ?ご心配なく」
慌てて隠したお腹の中を確認しようとしたら、僕の左側。コローレがいる方とは反対側から声をかけられた。
「あっ、本当?何だ、皆いたんだね?ありがとう咲良……」
「どういたしまして」
「……咲良!?えっ?マジで皆いつの間に僕の中に入って僕の中から出てくんの?ビックリするじゃん!!」
「マスターが鈍すぎるだけでしょう?俺は一昨日から貴方の中にいますよ。あぁ。出てきたのはコローレ様と一緒にですが」
「マジか~。ちっとも気がつかなかった…」
「あはは。グダグダだぁ~」
さっきまでニコニコして僕らの話を聞いていた裕翔さんが、遂に笑いながら匙を投げた。
何だか久しぶりに精霊達が出てきた様な気がしますww
本日も此処までお読み頂き、ありがとうございました。
明日も今日と同じ時間に更新致しますので、また宜しくお願い致します。