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八十五話目 |柊葵《ひいらぎまもる》


5月4日の更新です。

本日も宜しくお願い致します!



「んじゃあ、改めまして初めまして!俺っち、柊葵(ひいらぎまもる)って言います。裕翔とはタメね?宜しくッス」


「あっ、はい。此方こそ宜しくお願いします。僕はシエロ・コルトと言います。元日本人で、向こうでは木戸宙太(きどそらた)と言う名前でした。宙太でも、シエロでも、葵さんの好きな方でお呼びください」


 僕は目の前でヘラっと笑う葵さんにペコッとお辞儀をしながら自己紹介をした。


 その際、葵さんに握手を求められたので、僕は彼と手袋越しに握手をしたんだけれど、それはとても分厚い手袋で、彼の手の感触がギリギリ分かるかな?くらい分厚い物だった。


「えっ!?シエロっちもうちらとどうきょー?うわっ!?こんな美少女と……はい。ごめんなさいッス。ちゃんと男の子だって分かってるんで、そんなに睨まねーで下さい…後、手が痛いッス」


 おっと、睨んでいるつもりは少ししか無かったけど、葵さんが青くなってしまったから止めよう。冗談だったみたいだしね?


 あっ、手も握力の限りを尽くして潰そうとしたのを止めて、ちゃんと手を離したよ?


 ……まぁ、次また悪ふざけでそんな事言ったら、潰すくらいじゃ足らないくらいしばくけどね?



「だから、そんなに睨まねーでよぉ。可愛い顔が台無しだぜ?うわっ、マジですいません!ごめんなさい!!」


 僕はニッコリ笑っただけ何ですが?ナニヲオビエテイルノカナ?


「えっと…。まぁ、葵はこんな奴だけど、気の良い奴だから許してあげてください。な?」


「初めから気にしてませんよ?ただ、ここで甘い顔をするとずっとこの話題を引っ張りそうな気がしたので威圧してみました☆」


 裕翔さんに言われたら仕方がないので、ちょっと可愛い子ぶって返してみた。ら。皆からひかれてしまった。くすん


「あ~。葵、こいつ、こんなナリだけどよ、俺の幼馴染みなんだ。充分分かっただろうが、怒らすと俺より怖いからな?気を付けろよ?」


「うっ!?宇美彦とタメだったの?シエロさん!自分、舐めた口きいてすいませんでした!!」


 あ~。や~め~て~。


 僕が止める間もなく、葵さんは直角に腰を曲げて深々と頭を垂れた。


 あ~。話がまたややこしくなった。


 って、僕の背後で裕翔さんが頭を抱えてるのがチラリと見えたけど、これ半分は宇美彦のせいだからね!?



ーーーーーー

ーーーー


「えぇっ!?葵()って超能力者だったの!??」


「すっげぇ俗っぽく言うと、そうッス」


「葵、結構向こうの世界じゃ悩んでたんだよ?」


 グダグダになった上に、腹ペコで倒れそうだと言う葵君の為に、僕は朝ごはんを作っています。何故葵()なのかと言うと、【さん】呼びはこそばゆいから止めてくれって言われたからです。


 さて、葵君と裕翔さんにはカウンターに座って待っていてもらいながら

、僕は気になった事を葵君からあれこれ聞いていた。


 あれこれ。何て言っても、前の世界で何してたの?って話と手袋の話をを聞いただけで、まだそこまで時間は経っていないんだけどね?


 あっ、ちゃんと手も動かしてるからね?


「【超能力者】とか向こうの世界で言ったら、世間一般じゃあ魔法を使うのと同じくらい憧れられる能力じゃない?」


「いやいやシエロ()()これがなかなか大変なんですよ?先ず、気持ち悪がられるんスから」


 葵君は、冗談めかしておちゃらけた感じで僕の質問に返してくれたけど、目の奥が寂しそうに光った様な気がした。


 う~ん。なるべくこの辺りには触らない方が良さそうだ。


 あっ、そうそう。彼は向こうでまだ高校生だったそうで、よく考えなくても裕翔さんと同い年なんだから当たり前だよな~。なんて思ったりもした。


 そして、分厚い革の手袋の訳は…。


「物や者に触るとそこに染み付いた記憶が読めるって凄いね?」


「そうッスか?未だにコントロールが難しくて、夏場でも手袋外せないんッスよ?」


「いやいやいや、その手袋込みで格好いいって……。はいお待ちどうさま、朝ごはんだよ~?」


「うわっっ!?夢にまで見た純和食のご飯!!ありがたやありがたや~」


 そう、彼の能力は手で任意の場所を触る事でそこの記憶を読み取る、所謂サイコメトリーと、念力で物を動かしたり出来る、サイコキネシス能力が使えるそうだ。


 さっきの質問も含め、彼には話しづらい様な事もズバズバ聞いてしまったので、そのお詫びも兼ねて今日の朝ごはんはザッツ和食のセレクトにさせて頂いた。


 肉じゃがに鮭(に良く似た白身の魚)の塩焼き、葵君リクエストの甘い卵焼きに、自家製の納豆と、毎日混ぜてる糠漬けからとっておきのカブの漬け物も出してみたよ?


 その結果。葵君は半泣き状態でご飯を3杯お代わりしてくれた。見てるこっちまで嬉しくなっちゃって、いつもよりご飯が入らなかったくらいだ。


 え?亜栖実さん?彼女はアトラと平常運転で、丼飯を4杯完食しましたよ?因みに葵君は普通のお茶碗だったけどね。


 因みにスー君は……寝てます。食堂の端っこで。



元々何かしらの能力を持ってるのが1人くらいいても良いかな~?と言う軽い気持ちで葵を出して見ましたが、如何でしたでしょうか?ドキドキ


本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。

明日も同じ時間に更新致しますので、また宜しくお願い致します。

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