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七十四話目 ママと魔族


4月9日の更新です。

本日も宜しくお願い致します




「なるほどのう。その様に人里の近くで高位ランクの魔物が出た。となれば、確かに調査はせねばならぬ…か」


「でしょう?だから、今日はママに皆さんをご紹介する()()()()、この辺りで変わった事が無かったかを聞きに来たんです」


 ママは、フム。と自分のオレンジ色のクルクルした髪の毛を弄る。これは、考える時のママの癖なんだそうだ。時折、そんなママの動かした髪の毛の毛先が僕の首筋に当たって、少しこそばゆい。


 なんでママの髪の毛が僕に当たるのかと言えば、僕がママの膝の上にちょこんと座った状態で、最近のあれやこれを説明していたからと答える他無い。


 最初は普通に車座で話していたんだけど、ママがごねた為にこうなってしまい、今はママと裕翔さん達が面接しているみたいに対面して話をしていた。


 因みに、こんなところに椅子も机も無いので、僕達は冷えて固まった黒いマグマの石を椅子代わりにして座っている。


 ママの部屋に招待してもらうには、僕らは熱に弱すぎるからね?


 火山の中心部なんて骨も残さずとろける自信があるわっ!?



「変わった事、のう?う~ん…。あぁ!そうじゃそうじゃ、つい先日、妾の可愛い息子を拐かそうとしおったならず者がおったのう」


「えぇっ!?」


「大変じゃないですかっ!?」


 僕と裕翔さんの声が重なる。


 誘拐なんて大変だ!!と僕らは色めきだったが、当の本人はケロッとしていた。本当に大した事では無いのだぞ?と、僕達を嗜める程に彼女は冷静…と言うか、気にしていない風だった。


 あれ~?なっ、何で?



「いや、何で?も何も、妾がその様なならず者に遅れを取る訳が無かろう?すぐに消し炭にして転がしてやったわな」


「その後始末を俺に丸投げしなかったらもっと良かったんですけどね?」


 キョトンとしていると、僕の思考を読んだらしきママから疑問の答えが返ってくる。


 なるほど、そりゃそうか。と思う間も無い程ほぼ同時。ママの声に被せる様に聞こえた声に驚いてそちらの方を見ると、呆れ顔のカグツチ君の姿がそこに立っていた。


「おぉ!我愛しの息子よ、元気だったかい?」


 いきなり現れた呆れ顔の息子に、喜色満面のママは、両手を広げて歓迎のポーズをとる。


 僕がママの膝に座っているから、そのままの体勢で手を広げただけだったけど、僕が膝の上にいなければきっと、さっき僕がされたみたいに抱きついて離さなかっただろう。それくらいママは自分の子供が大好きなんだ。


 さて、そんなママのラブ光線を無視したカグツチ君(息子)は、


「えぇ、元気ですよ?俺はその誘拐されかかった弟の様子を見に来たのですが、シエロ君達が此方へ来ていると聞いたので、此方へ回ってみたんです。それよりーーー」


 と、にこやかに答えてくれた。


 聞く前に全部教えてくれるカグツチ君。マジイケメン!


 とか、ちょっと馬鹿な事を考えながら、僕は下手に会話に混ざらずに、話の続きを待つ事にした。




え?魔族の扱いが酷すぎる?気のせいですよwww


本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。

明日も同じ時間に更新させて頂きますので、また宜しくお願い致します。


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