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六十七話目 たまには冒険者らしい活動も②


4月1日の更新です。

皆さん嘘吐きましたか?

本日も宜しくお願い致します


◇◆◇◆◇◆


《side:パスカル・ダイキーリ》


 マズイ事になった。


 俺達【酒場の宴】の目の前には、サーペントタイガーと言う自分達よりも格上の魔物が、俺達を食い散らかそうと下なめずりしている。


 口角を持ち上げて此方を睨み付ける様は、ニヤニヤと笑っている様にも見えた。


「ちっ」


 思わず舌打ちが漏れる。


 奴さんは、ジリジリと俺達と己との距離を詰めてきているが、こんな距離、サーペントタイガーからしてみたら一瞬で詰められる距離だ。


 それをやらないって事は、俺達をおちょくってるか、怯える弱者をいたぶって楽しむクソ野郎かどちらかって事だな。


 いや、この場合は寧ろ両方か?こっちは3人で、刃を向けられているのは向こうだ。それでも俺達に勝てるとふんで、ニヤニヤと笑っているのだろう。


 まぁ、そんな事はどうだって良い。大事なのは、どう乗り切るか。だ。まさか王都へこいつを連れていく訳にはいかねぇ。


 あそこは、王様が住む街でもあるが、俺達の大切な仲間達が暮らす場所でもある。


 だから、いくら俺達が追い込まれているから。


 助けを呼びたいから。と言って、安易に街までこいつを連れていくのだけは避けたかった。



「ブラン!魔力残量は幾つだ?」


「ファイアボール3発分…」


 俺達のパーティ唯一の魔法使い。ブラン・リキューズがフードから顔を覗かせながら、俺の質問に短く答える。


「マジかよ!?お前の魔法で弾幕張って貰ってる隙に、ギルドカード使って誰か助けを呼ぼうと思ってたのに!」


 俺の隣で同じ前衛として共に武器を抜いていた盗賊職のスコッチ・スキヴィは、ブランの返答に対してそう喚いた。喚きつつも敵から目を離さないのは、流石に長年冒険者をやっているだけある。


 なるほど、そんな手もあったな…。


 確かにギルドカードには通信機能がついている為、ギルドにでも連絡すれば誰かしら来てくれるかもしれない。


 3発分の魔力しかないんじゃ弾幕こそ張れないが、ギルドカードの【緊急ボタン】を押す時間くらいは稼げる。


 そうすれば、ギルド内にいる誰かしらがカードの探索機能を使って助けに来てくれる筈だ。



「ブラン、弾幕は無理だろうがーーー」


 早速俺は、目の前の魔物から目を逸らさない様に気を配りながら、手短に今思いついた事を2人に話して聞かせた。


「分かった。」


「それくらいの時間なら、俺も加勢出来そうだな!」


「良しっ!ブラン、助けが来るまでの時間稼ぎの為に、1発分は残しておけよ!?スコッチ、魔力切れなんて起こすなよ?」


「分かってらぁ!」


 さぁて、相手はBランクで此方はCランク。


 ランクこそ1つしか違わないが、レベルで言えば遥か高みの存在だ。


 何度も死線を越えてきた。


 それでも何とか1人も欠ける事無く此処まできたと言う自負もある。


 決して勝てずとも、俺達に負ける気は無かった。


「よしっ、いまっっっ!?」


 では、行くぞ!!


 とばかりに俺が声を張り上げた時。


《ギュルギュルギュル》


『グギャアア!??』


「「「は?」」」



 突如、サーペントタイガーが()()()()()()()()()()悲鳴をあげた。




お気づきの事と思いますが、酒場の宴のメンバーの名前や名字は、お酒の名前です。


本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。

明日も同じ時間に更新出来ると思いますので、また宜しくお願い致します


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