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六十六話目 たまには冒険者らしい活動も①


3月31日の更新です。

本日も宜しくお願い致します



 僕達は街道を歩いていた。


 ジェイド君が大分距離を稼いでくれた事もあり、後は歩いても夕暮れまでには王都に入れるだろう。と言う事で、此処からは歩いて向かう事にしたのだ。


《ザクザク》


「何だか狭い道ですね?【ソラタ】殿、人はこんな狭いところを歩くものなのですか?」


「ん~?寧ろここは広い方だよ?元の姿の君からしたら狭いかもしれないけどね?」


 因みに、この街道はよく冒険者達も使うので、知り合いに会うかも知れないから。と、ジェイド君には【ソラタ】では無く、【シエロ】の格好に化けて貰っている。


 元々他に化けられる相手がいないだけだったので、ジェイド君は多少申し訳無さそうにしながらも僕そっくりの姿に化けてくれた。


「トカゲ、その姿の時は【殿】付けで呼ばない様にな?勿論、本名でもな?」


「うむむ。しかし、このお姿をお借りしていると言う事も畏れ多いと言うのに呼び捨てになど…」


 眉間に皺を寄せながら、ジェイド君はブツブツ何か言っている。咲良、あんまり彼をからかわない様にね?


 まぁ、何だか恐縮しちゃってるジェイド君には悪いけど、最近では素の格好よりも【ソラタ】で長い時間過ごしている僕としては、こっちの格好(ソラタ)の方がしっくり来る。


 この格好なら野郎から声を掛けられずに済むって言うのもあるけど、冒険者達が普通に話したりからかったりしてくれるのが何だか嬉しかったりするんだよね?


 まぁそんなこんなしながら、僕達は呑気に街道をのんびりと歩いていた。



「マスター、あそこ、何やら様子がおかしくないですか?」


「ん?あっ、本当だ。何だろうね?」


 咲良に言われて見てみると、確かに()の方で人と魔物らしき物がワーワーやっているのが見えた。


 あっ、言い忘れてたけど、此処は下りの山道。


 街道とはなだらかなものばかりでは無く、山や谷の中を行くものも皆街道と呼称されるんだよね?だから此処も街道には違いな……あれ?違ったらゴメン。


 まぁ、兎に角、此処は山の中。


 王都から見たら裏山って事になる此処は、前にプロクス兄さん達が凶暴なドラゴンに襲われた山と同じ山だ。


 ジェイド君が姿を隠しながら地面に下りる為の条件が揃っているのは此処だけだった。ってだけで、特に深い意味は無いんだけど、よく考えたらドラゴン種に縁がある山だねぇ?


 あっ、そうそう。それよりも下の様子だよ!!


 もう一度下の様子を確認してみると、3人組のパーティらしき冒険者達が魔物と戦っていた。


 冒険者達が誰かまでは、木や草やらが邪魔で此処からじゃ判別出来ないけれど、どうやら魔物の方はサーペントタイガーって魔物っぽい。


 サーペントタイガーは、巨大な虎の尻尾が蛇になってるって言う、名前そのまんまの魔物だ。


 でもこの魔物は確かBランクの魔物の筈だ。


 出現する魔物のレベルが比較的高いシュトアネール(うち)の近辺ならまだしも、この辺りに出てくる魔物にしては少しランクが高すぎる様な気がする。


「変だな…?」


「マスター。どうやら襲われているのはパスカルさん達の様ですよ?」


「えぇっ!?」


 頭に浮かんだ疑問が、咲良の言葉で全てぶっ飛ぶ。


 パスカルさんと言うのは、僕につまみをねだっていた冒険者のおっちゃんで、一番僕と仲良くしてくれている人達だ。


 いつもパーティメンバー3人で楽しそうに呑んでいる気の良いおっちゃん達だけど、確か彼等はCランク冒険者だった筈。


 サーペントタイガーと戦っても負けはしないだろうけど、たぶん勝てないだろうギリギリのランク。


 咲良に言われて再度見てみれば、確かにおっちゃん達は苦戦している様にも見えた。


 ジリジリと、徐々に距離を詰められている様だ。


「マズイ!!」


 気が付くと僕は、咲良が止めるのも構わず、おっさん達目掛けて駆け出していた。




さてさて、久しぶりに真面目パートです。

とは言えシエロなので、いつまで真面目にシリアス出来るのかは分かりませんが…w


本日も此処までお読み頂き、ありがとうございました。

明日も同じ時間に更新出来ると思いますので、またお読み頂けたら幸いです。

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