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六十二話目 一緒に帰ろう①


3月27日の更新です。

本日も宜しくお願い致します



「じゃあジェイド君、行こうか?」


「はい、シエロ殿!宜しくお願い致します!!」


 僕の目の前には、ジェイド君が未だ【ソラタ】のままの格好で立っている。


 他に化けられるヒューマン種を知らないから、暫くこのままでいさせて欲しいと頼まれたので、まぁいっか。と言う事にした。


 それよりも大きな問題があったから、小さな問題を後回しにしたってだけでもあるんだけど…。



 話しは30分くらい前に遡る。


ーーーーー

ーーー



《ピー、ピー、ピー》


「あ~。やっぱり駄目ですか?」


「えぇ、申し訳ありません坊っちゃん。此方の方の魔力量が多すぎて、装置が誤作動を起こしてしまっています…」



《ピー、ピー、ピー》


 心底申し訳無さそうな顔を浮かべ、ペコペコと頭を下げているのは、この街。シュトアネールの転移門を管理している職員さんだ。あぁ、門番さんとは違う人だよ?念の為。


 さて、僕らの拠点(アジト)へ連れていって欲しいとジェイド君にせがまれて、どうしたものかと裕翔さん(リーダー)に連絡を取ると、


《「戦闘員が増えるのは大歓迎だよ!!」》


 と、二つ返事で許可が下りた。


 それじゃあ、暗くならない内に行こうか?と言う事で、家族と別れて転移門へとやって来た迄は良かったんだけど、結果はご覧の通り。


《ピー、ピー、ピー》


 さっきからピーピー煩いのは、テレポート装置の悲鳴だ。装置の液晶部分には、【error】の文字が警告音と共に何度も点滅している。


 何でこうなるかと言えば、転移門に設置されているものに限らず、テレポート装置と言うのは結構繊細な魔道具で、装置の魔力を使用者の内包魔力が越えてしまうと、大小の度合いはあるものの、高い確率で誤作動を起こしてしまうから。


 僕くらいの魔力なら何とかまだ大丈夫だけど、裕翔さんは完璧アウト。


 因みに亜栖実さんはギリギリだけどセーフ。僕の精霊さん達は、僕のお腹の中にいる時なら大丈夫みたい。


 ただ、外に出た状態だと4人ともアウトだったんだけど、何故かコローレは大丈夫だった。


 転移魔法使える訳だし、最悪使わなくても大丈夫なんじゃない?何て思うかもしれないけど、テレポート装置が使えないって言うのも色々問題があるんだよね。


 先ず、初めて行く場所に自力で転移する事は出来ないし、テレポート装置を使える人が先に行って、使った人と同じ座標を計算して飛んだとしても、数メートル単位で誤差が出てしまうんだ。


 かと言って、じゃあ装置を使わないで転移魔法が使える者全員で皆を運んだら?って言われても、何度も往復する事になるし、街から街へ移動する時に許可も無く個人が転移魔法を使ってホイホイ転移するのは、防衛上の観点から禁止されている。


 だから、やっぱり転移門を使えないのは困るって事で、僕は何故コローレだけが誤作動を起こさなかったのかを自分なりに調べてみる事にした。


 仕組みが分かれば、裕翔さんもテレポート装置が使える様になるかもしれないって事でやってみたら、コローレは自分の魔力を最大半分程の量にまで抑え込める事が判明。


 早速コツを聞いてみたけど、コローレさんは結構感覚でやれちゃう天才肌な人なので、コツを聞いてもよく分からなかった。


 仕方が無いので、師匠に泣きついて魔力を一時的に抑え込む魔道具を一緒に作って対処したんだけど、結構高価な品を使って作った完全オートクチュールの品なので、今のところ裕翔さんだけしか持っていない。


 少しだけジェイド君の為に借りに行くって手も考えたんだけど、裕翔さんは朝から王宮へ呼ばれて行っている為、そんな場所まで転移したらそれこそ問題になってしまう。


「ん~。どうしようかなぁ?」


「シエロ殿。早速ご迷惑をお掛けして申し訳ありません」


「あぁっ。大丈夫、大丈夫だから、そんなに気を落とさないで?ね?」


 1人でうじゃうじゃ悩んでいたら、ジェイド君が思いっきり落ち込んでしまっていた。


 慌ててジェイド君を慰めるけど、すぐに良い方法何て思いつかないしなぁ。


 此処に来る時だって、王都の転移門使って転移して来た訳だし、それが使えないとなると…。


 あれ?僕、何か忘れてる気がする?



街の外からなら転移しても大丈夫な事をシエロはすっかり忘れています。

因みに、彼は学生時代に学園の中からシュトアネールのお屋敷の中庭まで転移した事がありますが、あの時は亜栖実さんが後でしこたま怒られていますww

本編中には無かった描写なので、シエロは亜栖実さんが怒られたのは知りません。

裏小ネタでしたww


本日も此処までお読み頂き、ありがとうございました。

明日も18時頃に更新出来ると思いますので、またお読み頂けたら嬉しいです。


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