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六十話目 ドラゴンの息子君


3月25日の更新です。

本日も宜しくお願い致します。


2019年4月11日 誤字修正致しました



「ところで、どうして此処に?それにその姿は?」


 何とか体から引き剥がしたドラゴン君を、アフタヌーンティー会場になっていた、昔から庭に設置してある椅子とテーブルに座らせてから、僕は彼に問いかけた。


 因みに僕はまだ座っていない。


 何故なら、


「シエロ、お前また腕を上げたのぉ?この腕前なら、料理人にもなれるぞ?」


「もうパーティメンバーには料理人として見られてる気がするよ。ハイ、父さんもどうぞ?兄さんもね?」


「シエロ悪いねぇ?」


「シエロのご飯久しぶりだね?」


 兄さんと祖父さんにせがまれて、料理を振る舞っているから。である。


 今日は朝から母さんと姉さんがうちの料理人を連れて出掛けているそうで、予め作りおいてくれた料理や執事頭のバトラーさんが作ってくれた軽食なんかも食べたみたいなんだけど、ドラゴン君が来てワァワァ騒いでたら、またお腹が空いちゃったんだって。


 お茶と、軽くつまむ様にと出されたドライフルーツだけじゃ腹に溜まらん!と特に祖父様にねだられて、


 ドラゴン君は僕に会いに来てくれた→責任は僕にもある?→じゃあお詫びに何か食べる?(今ココ)


 ってな事になった。



「はい。ドラゴン君もどうぞ?」


「ありがとうございます恩人様!」


 未だにソラタの格好のまま、ニコニコしているドラゴン君の前にも料理の入った皿を置く。


 フォークなんかの食器類を彼が使い慣れていないと悪いので、手づかみでもOKな、ボリュームたっぷりのハンバーガーとフライドポテトのセットを皆に出した。


 冒険者としての経験が無い父さん以外は皆、一様に豪快にかぶりついていて、ドラゴン君もそれに倣って大きく口を開けてかぶり付いた。


 おっ!傍目からでも分かるくらい目が輝いてる。おぉ!今度は、ガフガフ言いながらモグモグしだしたぞ?


 んフフ。自分が喜んでる顔を見るのは正直変な感じがするけど、ドラゴン君の口に合ったならひと安心ってところかな?


 前に狩ったバイソン系の魔物の肉が残っていたので、それから作ったハンバーグと、新鮮なトマトとレタスをバンズで挟み、更にお手製の照り焼きソースをかけた、なんちゃって照り焼きハンバーガー。フフ、簡単に作れる料理の割りには結構な自信作だったりする。


 ここに、お好みでマヨネーズをかけても美味しいけど、僕のおすすめは絶対わさびマヨネーズ!照り焼きとマヨネーズでダブルまろやかなところに、ピリッと爽やかな辛さがくるのが、好きなんだよね~♪



「これ凄く美味しいですね?恩人様!あっ、そうそう、俺が何で此方にお邪魔したか、でしたね?」


「ううん、邪魔なんかじゃないよ?ただ、いきなりドーマさんが呼びに来たからビックリしちゃっただけ。あっ、このマヨネーズかけても美味しいよ?」


「ありがたくかけさせて頂きます!実はですね?恩人様に、受けた御恩を少しでもお返ししたくてやって来たんです」


 ドラゴン君の許可が出たので、ハンバーガーの乗ったお皿の端っこにわさびマヨをトッピングして…。


 ん?


「恩返しって、僕そんなのしてもらえる程の事はしてないよ?」


「いいえ!例え命を掛けたとしても惜しくは無い。と思える程の御恩を私達親子は恩人様であるシエロ様からお受け致しました!」


 ドラゴン君は、真っ直ぐな瞳で僕の目をじっと見つめてくる。あまりに真剣なその瞳は、此方が気恥ずかしくなる程に真っ直ぐだった。


 うぅ。あんまりこう言うのに慣れてないからどう接したら良いのか分からない。しかも相手は自分の顔をしている訳だし、更に居心地が悪くなる気がする。


「ん~…。ドラゴン君、口、ソースがついてるよ?」


 困った僕は、取り敢えず、ベタベタになっていたドラゴン君のお口の周りを拭いてあげる事にした。




某バーガー屋の照り焼きハンバーグのお話しなのですが、私は口の周りを汚さずに食べきれた事がありません。私が下手なだけなのか…はたまたお店側の陰謀なのかwww


本日も此処までお読み頂き、ありがとうございました。

明日も18時に更新させて頂きますので、またお読み頂ければ嬉しいです。


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