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五十四話目 結果と顛末


3月16日の更新です。

本日も宜しくお願い致します



 結論から言うと、巨大なマンドレイク君は薬草園の敷地内の一角に置いて貰える事になった。


 ただし、そのままでは周りの薬草全てを根絶やしにしてしまう危険もあった為、ちょっとした工夫も必要になったけどね?



 それはーーー



「苦しくない?」


『うん~。きもちえぇでぇ~♪かいてきやわぁ~』



 薬草園の一角。場所的に言うと、マジョリン親子の暮らすログハウスから右に50メートル行った所くらいの隅っこの空き地。


 その場所を借りて、僕はマンドレイク君専用の花壇を作っていた。


 普通の花壇と違って、底もあるタイプ。


 煉瓦だと、どうしても経年劣化とかで繋ぎめから彼?の根っこが出てきてしまうかもしれないので、四角い浴槽みたいな形の入れ物を、縦横10メートル。高さ15メートルくらいの大きさの一枚岩から作り出した。


 思いがけず、土属性魔法が使えなかったら諦めるレベルの大仕事になってしまったけど、なんとかなって本当に良かったよ。


 此処に実里(みのり)が居てくれたら作業ももっと楽に行えたんだろうけど、生憎と彼女には、リーマさんの家でマンドレイク君が空けた大穴の処理の方を頼んでしまった為、此処には呼ぶ事が出来なかったんだ。


 クレアさんも穴の処理と、その後の植え替えなんかを手伝うと残ったから、此処にはいない。


 さっきのお茶会の時にその話しをしたら、娘さんの方のマジョリンさんがしょんぼりしてしまったので、また後で一緒に遊びに来ます。って約束をした。


 激レアなマジョリンさんの笑顔が見れたんだから、ちゃんと約束を守らなきゃね?


 そんな訳で全部1人で作業する事になっちゃったんだけど、手頃な岩が無くて、岩から作り出す作業をしていたから、流石に疲れたよ。


 大分形になってきた辺りで突然ランスロット先生が、


《「シエロ君は、土を任意の形変えられるのですから、マンドレイク君が入る場所の周りをそのままそっくり岩に変えてもらえば早かったかもしれませんねぇ?」》


 って言い出した時は、その場に居た全員から、


《「もっと早く言え!!」》


 なんて総突っ込みを喰らって暫く凹んでいたのも、今となっては良い思い出です。


 それで作り出した縦に長い容器は、それと同じくらいの大きさに掘った穴に埋めて、更にその中に土を入れて完成した。


 穴は僕が岩で容器を作っている間に、マンドレイク君を含めた皆で掘っていてくれたから、正直助かったよ。


「さてと、マンドレイク君のご飯は土属性の魔力で良いんだっけ?」


《うん~。あっ、でもぉ、やみぞくせいとじゅもくぞくせいも好きやでぇ~?なんならほかのもたべられるしぃ、ぼくすききらいいわへんよぉ?あっ、でもぉひぃとぉ、ほのおぞくせいだけはきらいやけどなぁ?》


 自分でモソモソと好みの土の堅さに均していたマンドレイク君は、僕の質問を受けてニコニコと笑ってくれた。


 よっぽど新しいお家?が気に入ったのか、何度も少し飛び出した岩の縁を撫でている。


 正直、時間をかけて作った物が気に入ってもらえて嬉しい。


 嬉しくて、気を抜くと緩んでしまいそうになる顔を何とか引き締めながら、僕はマンドレイク君が触っている岩の縁から少し内側の辺りに、ピン状の突起物がついた魔石をプスッと1本差した。


『これなにぃ?』


 すると、それが気になったのか、マンドレイク君は僕の手のひらくらいはあるその魔石を、本当に大きめの大根くらいある手で、器用にツンツンと軽くつついた。


「これはね、土属性の魔石だよ?君の居る土の中に、栄養を送ってくれるんだ。大きめのをつけたから、たぶん1ヶ月くらいはもつと思う。足りなくなったら、マジョリンさん達に伝えてもらえば、新しい魔石と交換してくれるからね?」


『へぇ?これがぼぉくのごはんかぁ~♪なにからなにまでぇ、おおきになぁ?』


 ほわっとしたマンドレイク君の笑顔が眩しい。あ~、和むなぁ。


 授業で使ってたマンドレイクはこの世の全てを恨む様な禍々しい顔のマンドレイクばかりだったけど、彼?はくりくりした円らな瞳をコロコロ変化させて表情を変えるので、とっても可愛らしい。


「キヒヒ、あんた良かったねぇ?あんたを見つけたのが国家の研究員なら、今頃バラバラだよ?」


『ばっ、バラバラ!?そんなんいややぁ~!!』


 こらっ!!マジョリン(娘)!!



きっとこのマンドレイクは、今後マジョリン親子の暇潰しがわりに弄られる事になるでしょうw


本日も此処までお読み下さいましてありがとうございました。

明日も18時に更新致しますので、また宜しくお願い致します。


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