四十八話目 植物の正体①
3月9日の更新です。
プロローグ分を含めではありますが、お陰様を持ちまして、今作も50話達成致しました!
これもひとえに、お読み頂いている皆様のお蔭です!
本当にありがとうございます!!
まだまだ100話、150話と続けていける様に精進致しますので、もう少し、お付き合い頂ければ幸いです。
「あれ?早かったね」
「シャドが頑張ってくれましたからね?それよりマスター?少しは反省してくれませんか?どれだけ僕らの寿命を縮めれば気が済むんです?」
僕の手を掴みながら呆れた顔をしているのは、僕の精霊で、元は花の妖精のフロルだった子だ。
何で此処に彼が居るかと言えば、さっきリーマさんの腰の治療をしている間に、シャドにお願いして呼びに行って貰ったんだよ?リーマさんの話しを聞いてたら、何となくヤバそうな雰囲気だったからね。
そうそう、フロルは実里のお友達のスプラウトさんから貰った花の種から産まれた妖精の男の子で、ちっちゃくて可愛かった彼も、この6年で精霊へと進化している。
因みに、今の名前は。
「あれ?咲良、シャドは?」
「シャドなら、僕を呼びに来て疲れたそうなので、部屋に置いてきました。今頃フーカ姉さんの膝の上で寝てるんじゃないですか?」
「そかそか、シャドには無理させちゃったなぁ。後でご褒美あげなくちゃね?」
「俺には?」
「勿論!咲良にも後であげるからね?」
そう。彼の今の名前は【咲良】。女の子の名前っぽいけど、精霊になって戻ってきた時のフロルの姿を見たときに、サクラだ!ってビビっと来たんだから仕方が無いのです!
だって、薄ピンクの髪が、焦げ茶色から薄いピンクのグラデーションみたいになった派手派手な髪の毛に、黄緑色の目が、濃いピンク色の目に変わっていたんだよ?劇的ビ○ォーうんちゃらなんだよ?春の桜色だ!って思っちゃったんだもん。インスピレーション大事!
「シエロ君?その方は?」
咲良を見たクレアさんが、屋敷の中、この庭へと繋がる扉の前から顔だけ出した状態で声をかけてきた。
彼女の声がやや硬い気がするのは、自分の元従者の家を調べに来てくれた僕に、急に現れた男が何やかんやと言いながら手を掴んでる姿を見て、昨日の自分を思い出して不安になったからかもしれない。
咲良やたらでかいし、威圧感あるもんね。
え?お前と頭1つ分くらいしか変わらないから、言うほどそこまでデカくないって?ほっといてよ!デカイったらデカイの!!
「あぁ、すいません。この子は咲良と言いまして、こんなに大きくなっちゃいましたが、クレアさんも良くご存じのフロルですよ?」
「クレアさん、ご無沙汰しております」
緊張しているクレアさんに、僕は出来るだけ明るい声を出して、笑顔を作りながら答えた。
元フロルの咲良も、僕に合わせて笑顔で挨拶してくれる。
正に以心伝心!って言うか、心読まれてるからね。
「まぁ!あのお小さかったフロル君でしたの?リーマ、大丈夫でしてよ?あの方はシエロ君の精霊様でしたわ」
「精霊様…。私、お姿を拝見させて頂くのは産まれて初めてで御座います」
咲良がフロルだと分かったクレアさんがニッコリ笑うと、つられた様にリーマさんも微笑みながらそんな事を言った。
うんうん。2人に分かって貰えて良かった良かった。
さて、分かって貰えたところで本題に戻りましょうかね?
「さて、と。咲良、この植物の正体とか分かるかな?正直僕にはお手上げなんだけどさ?」
「そりゃあ俺も花の精霊のはしくれですからね?分かりますよ?って!だから、すぐ触ろうとしないで下さいよ!」
ちっ、バレたか…。
どさくさに紛れて植物の葉っぱから伸びている針を触ろうとしたら、咲良から怒られてしまった。
流石に手を引っ込めると、咲良は呆れた様な顔をしながら、
「それ、毒ありますからね?」
と言った。
僕が引っ込めた手を慌てて背中にまわしたのは言うまでもない。
苦労人咲良w
本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。
明日も同じ時間に更新致しますので、また宜しくお願い致します。