三話目 再会③
1月12日金曜日の更新です。
本日も宜しくお願い致します!
他称、【変態】リチャード ーーリチャードは仲間内からも変態呼ばわりされているーー の右手首から肘までの中間くらいの辺りに、蛇の様な影が巻き付き始めた。
その影は途中で分裂して数を1つ増やすと、2匹の蛇となってリチャードの腕をぐるりと1周巻き付いた状態で定着。
腕の太さ的に余った部分は霧散し、リチャードの腕には、2本の太くて黒い線だけが残った。
「なっ、何なんだコレ!?くそっ、取れない!!」
皮膚に定着した線を、リチャードは擦って落とそうと試みていたが、当然落ちる事は無い。
その明らかに罪人ちっくな模様に、リチャードは泣きそうな顔で「落ちない、落ちない!」としばらく右腕を擦り続けていた。が。
「やい、クソガキ!この模様を落としやがれ!!俺様に変な落書きしやがって!この前は油断したが、もう我慢ならねぇ!!ギッタンギッタンにしてやるから、そこへなおれ!!」
何度擦っても落ちない模様に腹を立てたリチャードが、自分の得物である曲刀を抜いて凄んできた。
うわぁ、頭悪そう。
あっ、悪そう。じゃなくて、悪いのか…。
先日しこたまこてんぱんにしてあげたのに、こいつはもう忘れている様だ。
何が、【油断したが】だよ。この前も立ち上がる度にそんな事言って騒いだから、丁寧にキュッとシメ上げてあげたと言うのに…。懲りないねぇ?
僕は深いため息を1つ吐くと、リチャードに向かってニッコリ笑ってみせた。
「ひっ!?」
何だよ。人の笑顔見て悲鳴あげるとか、失礼だと思わないのか?こいつは?
あれ?まてよ…。
前も【この顔】で、こんな風に笑ったら悲鳴あげられた様な…?
おかしいなぁ?僕が知る限り最高に優しい人の顔を借りたはずなんだけどなぁ?
えーと…。うん、後で要検証って事で!
今はリチャードだ。
「ククク。お目出度い男だねぇ…。何で俺がこんなにもタイミング良く、お前の前に現れたか、まだ分からないのか?」
「なっ!?」
やれやれ。と、軽く首を振りながらリチャードに問いかける。
すると、リチャードは驚愕の表情を浮かべながら、僕の顔を凝視してきた。……本当に分かってんのかな?
まぁ、いいか。
「ギルマスは全てお見通しだったよ?俺が報告する前に、直接依頼が来たからね。依頼内容は【リチャードの監視。及び、リチャードがまた罪を犯した際の拘束と処罰】だ。
明らかに不自然だっただろう?何せ、お前がこの人の腕を掴んで持ち上げたタイミングだぞ?普通に考えて、こんな場面に居合わせられると思うかい?」
そう、僕がつらつらと言葉を発していくと、みるみる内にリチャードの顔が青ざめていく。
まぁ、言うても偶然ですけど。
「しかし、お前は本当に残念な奴だな?俺が監視を始めて、たったの2日で事を起こすとはな…。あぁ、そうそう。その腕の印は、俺がギルマスから請け負った【処罰】の部分に当てはまる呪いだ。
お前が事件を起こす度にその輪っかは数を増していくぞ?今はレベル2だからまだ良いが、それが5本…。つまり、レベル5になったら…」
「なっ、なったらどうだって言うんだよ!?」
顔を真っ青にして怯え始めたリチャードに、僕は彼が怖がる笑顔を浮かべて、更に脅しをかけた。
ちっとも話しが進まないorz
そんな話しが進まないところで申し訳ありませんが、土日とお休みさせて頂きます。
次の更新は月曜日の18時となりますので、また宜しくお願い致します。