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四十三話目 冒険者ギルド


3月4日の更新です。

本日も宜しくお願い致します。




「あら、ソラタさん」


「ども、これ差し入れです。よかったら皆さんで食べて?」


「うわぁ!ありがとうございます!!ソラタさんがお作りになったんですか?」


「勿論」


 この世界にしては珍しく大きな窓から、キラキラと朝の光が差し込んでいる。


 光は、それぞれの窓口に座るお姉さん達の顔を優しく照らしていた。


「皆ー!ソラタさんから差し入れ頂いたわよ!!」


「わっ!」


「ありがとうございますぅ~」


「お菓子ですんで、早めにどうぞ?」


 いや、お菓子と聞いて、目がキラキラしているだけかもしれない。キャッキャッとお菓子の入った籠の中身を除き込む彼女達の顔は輝いていたから…。



 さて、窓口と聞いてピンときた人もいるかもしれない。


 そう!僕は今、冒険者ギルドにやって来ていた。 


 昨日に引き続き今日も進展が無かったので、他の冒険者達に遅ればせながらーー冒険者家業は日の出と共に行動する!が鉄則らしいーー、何か依頼は無いかなぁ?と立ち寄っただけなんだけど…。


 何故か僕は、そのまま嬉しそうな顔をしたいつもの窓口のお姉さん。

 フィオーネ・コットンさんにギルドマスターの部屋まで連行され、ヨチヨチ歩きの赤ちゃんも全速力で逃げる程の凶悪な顔をしたギルドマスターの前に、ちょこんと座らされていた。


 あっ!決して裕翔さんに叱られた大量のお菓子を消費する為にギルドに寄った訳じゃないからね?嘘じゃないよ?だって皆で分けたもん!



 さて、ギルドマスターとは、テーブル越しにそれぞれ2人掛けのソファーに座っている訳だけど…。


「えっと、ギルマス?僕に何の御用ですかね?」


 おずおずと目の前の偉丈夫に話しかける。


 此処。王都のギルドマスターこと、リキッド・クリアは、2メートル超えの大男で、歳の頃は30後半くらい。

 焦げ茶色の髪の毛は短く刈り込んでいて、それと同じ色の瞳は右側が削れて無くなっている。


 その傷は、昔彼がまだ駆け出しの冒険者だった時に、魔物にやられて出来た傷なんだってさ。


 彼は、そんな傷を抱えながらもSランク冒険者になった凄い人なんだ。


 本当は子供が大好きなんだけど、その見た目から、【赤ん坊も裸足で逃げる】何て言われている。


 ギルマス的にこれは凄く傷つくそうなので、それを皆知っているからか、表立って言う人は少ない。



「何、昨日の報酬と、お前に指名依頼を出したいと思ってな?」


「げっ、指名依頼って、また面倒事ですか?」


 うっかり嫌な顔をしたらしい僕の顔を見て、ギルマスは可笑しそうに笑いながら、手を振って否定の意を示してきた。


「ククク、そんな露骨に嫌な顔すんなよ。何、大した事じゃねえ。薬草の採取を頼みたいだけだ」


 ギルマス、その笑顔もマジで怖いです。対峙した熊が泣いて逃げ出しそうです。


「……お前、何か失礼な事考えてないか?」


「いえ、別に?それより採取依頼で指名ってどういう事です?」


 ギルドにはいくつか規約があって、失敗すると罰金を払わされたり、条件によっては降格も有り得る。


 特に指名依頼については罰金よりも降格のリスクが高い上に、名指しで指名されている事が多いのもあって、ギルド内での評判にも関わってくると言う、結構受ける側にとってはリスキーな依頼なのだった。


 他にも緊急依頼って言うのもあるけど、あれはほぼ強制的にギルド登録会員全員集合な上に別な意味でリスキー。何でリスキーなのかは、時間がないから、またの機会に説明するね?


「あぁ、依頼主がお前さんをご指名でな?ほら、これが依頼書だ」


《パサッ》


 ギルマスが何故か嬉しそうに依頼書をテーブルの上に放り投げる。


「では失礼して…」


 2~3枚くらいのその依頼書を、ギルマスに断りをいれてから受け取り、読み込む。


「んん?」


 依頼書の内容を読んで、僕の目は丸くなった。




100枚あった内の、約50枚くらいのクッキーが窓口のお姉さん達の胃袋に収まりましたw


因みに、飽きがこない様に5種類味の種類があります。


本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。

明日も同じ時間に更新致しますので、また宜しくお願い致します!


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