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四十一話目 解決①


3月1日の更新です!

本日も宜しくお願い致します。




「取れた!!」


 息子君の頭に付けられていた魔道具が、一定の手順をふまないと外せない事が分かったのが今から5分くらい前。


 彼の頭を弄りだしてから、1時間が経った頃だった。


「本当かっ!?」


 僕が頭を弄りだしてすぐくらいに何故かぐったりし始めた息子君も、取れた途端に元気になって僕の顔を見上げてくる。


 椅子に座っているから、背が小さい僕でも見上げてもらえ…あれ?何でだろう、涙が出てきたぞ?


「「お母さん!俺様」元に戻ったよ!!」


「あぁ、坊や!!良かった。本当に良かった…」


 僕が涙を拭っている隙に、息子君はお母さんのウルスラさんに向かって走り出していた。


 走るくらい距離が空いていたのは、魔道具の術式を解除するのに時間がかかるからと、何故か亜栖実さんが強制的に食堂の端っこに僕らを移動したからだ。


 ん?


 数メートル離れていたウルスラさんまで息子君が駆け寄っていく途中で、カベルネの姿が揺らぎ、見る間に縮んでいく。


 声も成人男性にしては高めの声だったのが、小さな男の子特有の可愛らしい声に変わっていった。


「おかあしゃん!!」


「坊や!あぁ、私の坊や!怖い思いをさせましたね?悪い母さんでごめんなさい!」


 ウルスラさんと息子君がぎゅっと抱き合う頃には、息子君は小さな(あかがね)色のドラゴンへと姿を変えていた。


 あれが本来の息子君の姿なのだろうその姿は、丸みを帯びたフォルムに小さな翼膜のついた翼、お腹の部分から顔の顎部分までは黄色がかった茶色と言う、ザッツ西洋のドラゴン!と言った風貌をしていた。


 目の縁と背中からお尻にかけて、スッと入ったラインが深い青色をしているのが印象的で、つぶらな緑色の瞳が更に保護欲を駆り立てていて、何だろう、とにかく可愛い!


 すっぽりと彼女の胸の中に収まるサイズに変化した息子君の姿は、今すぐにでもウルスラさんに変わって欲しいくらい可愛い!!


「シエロ君、目が怖いよ。息子っちが可愛いのは分かったから、一旦落ち着こうぜ?」


「はっ!?」


 亜栖実さんに思いっきりチョップを食らった。


 お蔭で正気には戻れたけど、痛かった。



ーーーーーー

ーーーー


《「本当にこの度はお世話になりました。これでは御礼にもなりませんが、どうかお納め下さい。そして、もし有事の際には、是非とも私をお呼び立て下さい。必ず、駆けつけさせて頂きます」》


 そう言って、ウルスラさんは僕に2枚の鱗を差し出してきた。


 1枚は、キラキラと輝きつつも透き通っていて、まるで地底湖を水底から見上げた時みたいな水色の、100円玉くらいのサイズの鱗。


 そして、もう1枚の方は里芋の葉っぱくらい大きな鱗で、此方は艶消しされた銀色をしていた。


 大きな鱗の方は、装備品にでも加工して使って下さいってウルスラさんは言っていたけど、正直勿体なさ過ぎて使用法に困っている。


 だってさ?神様クラスのドラゴンさんの鱗だよ?どう考えたって勇者様であるところの裕翔さんが持っていた方が良さそうじゃない?


 そう思って聞いてみると、


「俺だって畏れ多いよ」


 裕翔さんからはそんな返事と共に断られてしまった。


 小さな鱗の方は皆と相談した上で、隅っこに小さな穴を開けて紐を通し、首から御守りとしてかけておく事に。


 因みに穴はウルスラさん本人?本竜?が開けてくれた。


 紐は僕の物だったけど、この状態で【鑑定】をかけてみたら、何と高級店で売られている防御力特化のアクセサリーよりも防御力が高かったんだ。


 しかも、弱い魔物を寄せ付けないと言う追加機能まであり、裕翔さんからは絶対肌身離さず持っている様に!と言われてしまう始末。


 これにはウルスラさんも苦笑いしていた。




本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。


さて、実に勝手ながら、明日の更新はお休みさせて頂きたいと思います。

次の更新は3月3日、ひな祭りの18時頃に更新させて頂きますので、宜しくお願い致します。


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