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四十話目 竜の親子④


2月28日の更新です。

今日で2月が終わるなんて嘘だ!


と、言うわけで、本日も宜しくお願い致します。




「え~っと、頭を取ったら死んじゃうんじゃない?」


「ん?」


 僕が息子君にそうおずおずと告げると、彼はカベルネの顔のまま、キョトンと首を傾げた後で、


「あぁっ!ちっ、違うぞ?頭って言ったって、俺様の頭をえぐってくれ。なんて言ってる訳じゃないぞ?」


 と慌て出した。


 良かった…一瞬間が合ったから、本気で頭取れって言われるのかと思っちゃったよ。



 パニックな息子君の話しを良く良く聞けば、彼の髪の毛だとずっと思っていた、火の如く燃える様な髪の毛自体が彼の身体を操っていた装置の本体なのだそうだ。


 なるほど、だから時々不自然に動いたりするのか。


「引っ張っても取れないんだ…。俺様、元々はこんなしゃべり方しないし、この格好も嫌なんだけど、この変なのついてると、元の姿にも戻れないんだ」


「私もどうにか坊やを助けられないかとやってみたのですが、駄目でした…」


 ムスッとした顔をする息子君と、心底悔しそうな顔をするウルスラさんに断りを入れてから、息子君の頭に触れてみる。


 見ているだけでは分からなかったけど、こうして触ってみると、この髪の毛らしきもの全てが極細に加工された魔道具である事がはっきりと分かる。


 髪の毛1本1本に魔力の流れがあって、魔道具たらしめる為の術式がビッシリ彫り込まれているんだ。


「うわぁ~!すごぉい~☆」


 初めて目にする魔族の技術の高さに、僕はついついときめいてしまった。



◇◆◇◆◇◆


《side:亜栖実》


 あっ、まずい。


 僕がそう思った時には、シエロ君のスイッチがガッツリONになった後だった。


 ウルスラと名乗るドラゴンの息子っちの頭に取り付けられたと言う魔道具を、嬉々として弄くり倒すシエロ君の目はキラッキラに輝いている。


 あーだこーだとブツブツ言いながらニヤニヤと笑うシエロ君は、なまじっか顔が整っているだけに不気味でしかない。


「あっ、こんなところにボタンがあるね?……あぁ、これはサイズを調節する為のボタンなのか……あはっ!ここにもボタンがあるねぇ♪」


「ひっ、ひぃ」


 僕らの敵であるカベルネに変身させられているらしきドラゴンの息子っちが悲鳴をあげる。


「シエロ君~、息子っち泣きそうだよ?ほどほどにね?」


「んフフフフ、分かってますよぉ♪」


 あっ、こりゃ分かってないね?息子っちが憐れでしょうがないよ。


 って言うかさ、そもそも名付き(ネームド)のドラゴン相手に何の警戒心も抱かないところが彼らしいのだけどね?


 名付き(ネームド)の魔物。と一口に言ってもランクはあるが、名付きの魔物が群れに1匹でもいるのなら、その群れの脅威ははね上がるんだ。


 たとえその群れがたかがゴブリンやスライムの群れだとしても、決して侮ってはいけないと言われているし、実際に僕も経験したから分かる。


 普通のゴブリンの群れならランクがDでも数人集まれば倒す事は出来るけれど、群れの中に名付き(ネームド)が1匹でも居るならば、冒険者レベルはC~Bランクの冒険者でも倒しきれずに、ミイラ取りがミイラになる事だってあるんだしね?


 それがましてやドラゴンだ。下手をしなくても、その土地の土地神様として祀られ、人間が手を出してはいけない領域となる事だろう。


 そんなドラゴンが、ハラハラしながら息子を見守る。何て光景は、たぶん絶対確実に普通じゃ見られない光景なんだよ!


「ウフフフフフフ」


「かっ、母さ~ん」


「頑張って!きっとシエロ様が貴方を助けて下さるわ!!」


 そこんとこ、シエロ君は分かってるのかなぁ?




ドラゴン親子揃って涙目ww



本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。

明日、3月1日も18時頃に更新致します。

また明日も宜しくお願い致します。


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