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三十話目 魔族とシエロ③


2月17日の更新です!

本日も宜しくお願い致します。



「皆、無事だね?」


「えぇ、少し怪我をした方もいるようですが、うちの風華と実里がすぐ対処してくれましたから」


 ま。笑いながらじゃなきゃ、もうちょっと格好ついたんだけどね?


 さっき2人にも薬渡しておいて大正解だね☆



「そうか、よかった…。さて、此処に居たんだね?魔王軍第3軍将軍、カベルネ・ソーヴィニオン」


 裕翔さんは、ぐるっと周りを見回して、誰も死者が出なかった事に安堵のため息を吐くと、阿呆魔族に向き合い、鬼の形相で睨み付けた。


 裕翔さんって、いつもはポワポワ笑っているけど、あんな顔も出来るんだ……ん?将軍?え?あいつ偉いの?



「ふんっ、やっと勇者様のお出ましか?随分とゆっくりだったな?」


 僕と打ち合ってボロボロになった、炎を模した様な歪な剣で肩をトントンと叩きながら、笑う魔族…改め魔王軍第3軍将軍、カベルネ・ソーヴィニオン。


 長いな。よし、ふんころがしって呼ぼう!!


「君が今回の遠征の将、と言うわけだね?成る程、夜半に襲ってきた上に昼間も予告なしで来るなんて、どんなに非常識で卑怯な奴かと思っていたけど君なら納得。と言うものさ」


「何だと!?」


「何だも何も、そのままの意味だよ?卑怯者って言ったんだ」


 裕翔さんとふんころがしが睨み合っている。


 んぷぷ、駄目だ字面で笑う。


 こんな緊迫した状況で1人だけ笑ってたら駄目だよね?



 裕翔さんとカベルネは、大気がビリビリ振動する程の怒気と殺気を放ちながら睨み合っていた。


 余りの迫力に、お互いの兵達が後退していく。


 いつの間にか、裕翔さんとカベルネの周りには誰も居なくなり、岩肌剥き出しの大地までがカタカタ震えだした。


「俺様の何処が卑怯者かは知らんが、良し分かった!お前をここで殺してそこの娘を貰っていくぞ!!」


《ズバァアン!》


 カベルネが大きな声を出した。


 その反動で大地が悲鳴をあげながら爆ぜる。


 言ってることは頭おかしいけど、実力はあると言うことをありありと示していた。


「なっ!?誰の事だか分からないが、そんな事はさせないぞ!!今度こそ君との決着をつけてやる!!」


 余波で土埃が舞う中、裕翔さんが細身の剣を構えて飛び出した。


 細身だけど長いその剣は、矢印みたいな形をしていて金と銀のキラキラした綺麗な剣だった。


 銀の地に金色の縁取りがあって、更に青い線が金色の縁取りの中にスッと入っていて、ぼんやり裕翔さんの魔力を帯びて光っている。


 この国に鎧兜と共に伝わる聖剣なんだそうだ。


 名前は何故か誰も教えてもらえなかったけど、女神に因んだ名前何だそうだよ?



《ズガァアアアアン》


 さっき僕と打ち合った時とは別格の凄まじい衝撃音が辺りに響く。


 目で追いきれない程のスピードで、衝撃音だけを響かせながら、裕翔さんとカベルネは剣を奮う。


 いつの間にか、カベルネの剣に入っていた幾つもの罅は消え、打ち合う度に炎を上げていた。


 その顔にさっきまでの笑顔は無く、睨み付ける様な表情を顔に張り付けながら裕翔さんと戦っている。


 対して裕翔さんにはまだ余裕が有りそうだけど、相手を侮る事無く戦っている様だ。


《ガツン、ガギン!》


 くっ!衝撃波がこっちに結構くるな…。


「光よ!我が身を守れ!」


《ブォン》


 慌てて兵士さん達を守る結界を張る。


 いつもなら無詠唱でも張れるんだけど、今はこの場に居る兵士さん達全てを覆わなくてはいけなかったから、少し詠唱をする羽目になってしまった。


 くそっ、中二病っぽくて恥ずかしい!!


 カベルネに手加減されてたのも腹立つし、裕翔さん!やってやっちゃって下さい!!




聖剣の名前ですが、エクスカリバーでは無い事だけ明記しておきますww


本日も此処までお読み頂きましてありがとうございました。


申し訳ありませんが明日、2月18日の更新はお休みさせて頂きます。

次回の更新は2月19日、月曜日となります。

お休みばかりで申し訳ないのですが、また宜しくお願い致します。


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