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二百八十話目 エピローグ


1月3日、2回目の更新です。




 あれから、早いもので3年が経ちました。


 まぁ、3年経ったところで僕らの関係や何かが変わるはずもなく、



「なぁソラ、そこの戸棚のアレ、使用期限近いから早く使っちまえよ?」


「あっ、マジで?サンキュ宇美彦」


「はいよ。それと、その隣の引き出しの在庫が心もとないから、寒くなる前に採りに行っとかないとな?」


「……頼りにしてます」




 相変わらずこんな感じです。


 そうそう、変わった事と言えば、実家の近くに薬局を開いたんですよ?


 元々シュトアネールの街にも薬師はいたんですが、その方がお年を理由に引退なさったので、その後を僕が引き継いだ。って感じです。


 まぁ薬師のばあちゃんとは昔から顔馴染みでしたし、ぶっちゃけ僕の薬学の師匠でもあるので、どちらかと言えば後継ぎみたいなもんですかね?



 後、葵君がアルミナさんに正式にプロポーズして、去年結婚したんですよ?


 来年の春には更に家族も増えるそうで、今から楽しみにしてる。な~んて幸せ満載の手紙が昨日届いていました。


 ふふふ。あの葵君がお父さんだなんて、信じられませんよね?


 あの2人なら寿命の問題なんかの種族間の問題も、越えられない壁も楽しく飛び越えていけるだろうな?な~んて宇美彦とも話したりして。


 でも少し羨ましいよな?なんて話も、独り身同士、ついついしちゃいました。



「山が紅くなってきたなぁ?」


「本当だね?さっきの薬草、明日にでも採りに行こうか?」


「そうだな。その方が良いかもな?」


「了解。じゃあ軽く準備しなくちゃね?」



 あっ、そうそう。忘れてました。


 さっきから的確な指示出しをしてくれてる宇美彦ですが、見て分かる通り、僕の薬局のアシスタントをしてくれているんです。


 元々頭の良い宇美彦ですが、実は薬学の方に才能を発揮しまして、今では僕よりも早く薬の調合が出来るんですよ?


 持ち前の社交性も合間って、最近じゃあお店を乗っ取られるんじゃないかと、戦々恐々とした日々を送っています。



 まぁ、冗談はさておくとして…。


 裕翔さん、そちらの世界の暮らしは慣れましたか?


 元の世界へ戻ったのに慣れたか?なんて可笑しな事を聞くな~。なんて思われてしまうかもしれませんが、こちらの世界で染み着いてしまった戦いの癖や警戒心が裕翔さん達を苦しめる事も有り得るだろう。なんて話をこの間時空さんからお聞きしたので、少し気になっていたんです。


 まぁ、裕翔さんや亜栖実さん。月島さんがお変わりないのが一番なんですけどね?


 あっ、長々とすいません。手紙を書くだなんて久しぶり過ぎて、どう書いたら良いのかがイマイチ分からなくって…。


 それもこれも、世界に影響なく手紙を送る術を思い付いたよ~!


 なんて突然言ってきた時空さんのせいですからね?


 まぁ、今のところはそちらへ送るだけの一方通行な手紙との事なのですが、少しでも裕翔さんの暇潰しの種にでもなれば良いなぁ。なんて思いながらこの手紙を書いている次第です。


 上手くいけば、また御手紙書きます。



 シエロ




◇◆◇◆◇◆


《side:裕翔》



「ふふふ。あっちの皆も変わりないんですねぇ?良かった良かった」


「でも葵が結婚かぁ~。かーーっ!羨ましい!!僕なんかまだ相手すらいないんだよ?誠治は愛する愛する雪乃ちゃんがいるから良いけどさぁ?」



 誠治がニコニコしながら手紙を畳み、俺へと返してくれる。


 亜栖実も悪態をつきながらではあるけど、その表情はゆるんゆるんだ。


 来る筈の無い手紙に、内心はしゃぎっぱなしなのだろう。


 かく言う俺も人の事は言えないくらい表情筋がだらしない事になってるだろうけど、まぁ今日くらいは許して欲しいものだ。


「しかし、朝起きて机の上にこの手紙を見つけた時は驚いたよ」


「そりゃそうだよ。僕だって連絡もらった時は何かの勘違いかと思ったもん」


「これが裕翔じゃなければ、エイプリルフールの嘘かと思いますね」


「エイプリルフールまだ先じゃん!」



 シエロ君。こっちの世界で、俺達楽しくやってるよ?


 確かに最初は魔物もいない、魔法が上手く使えないこの世界に戸惑う事もあったけど、俺達は元気です。


 亜栖実や誠治さんとも何かと理由をつけてはこうして会ってるしね?


 いつか、俺の手紙も送れる様になったら、こっちに戻ってきてから起きた色々な事を、便箋からはみ出すくらいに書いて送ります。


 その時を楽しみにして、待ってるから。



 裕翔



 追伸


 誠治さんに、メチャクチャ美人な女医さんの恋人がいたんだよ?

 こっちは来年結婚するんだって!


 俺も結婚式に呼ばれたから、写真をとって一緒に送るね?


 まぁ、一方通行の手紙が俺からも送れる様になってから。だけどさ。



ここまでお読み頂きまして、本当にありがとうございました。

お陰様を持ちまして、最後まで書き上げる事が出来ました。


本編はこれで終わりとなりますが、番外編と称し、2~3本程更新させて頂きたいと思いますので、もう少しお付き合い頂ければ幸いです。


番外編は、少しお休みを頂いた後、10日頃に更新させて頂きますので、宜しくお願い致します。



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