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二百六十七話目 絶体絶命?


12月20日の日の更新です。

本日も宜しくお願い致します



「フフフ」


 尚も魔王は笑いながら、手のひらに魔力を練り込み続けている。


 速い。



 魔力を練る段階から、魔法を構築し、更に威力を上げる為に魔力を注ぎ込んで練り上げるまでの速さが、こいつは異常な程に速かったんだ。


 女神が、まぁ姿を借りてるとしたって、誰も止めに入る事が出来ない程の速さで練り上げられたその魔法は、威力が想像出来ない程に大きく、そして禍々しかった。


 直径を測るのは難しそうだけど、たぶんU○Jの入り口にある地球を模したオブジェくらいはありそう。


 んで、禍々しいその色は、紫と黒と緑色と黄色と赤色をグチャグチャに混ぜ込んだ様な、何ともカオスな色をしていて、お世辞にも綺麗とは言い難い色をしていた。


 うん。控え目に言っても、SAN値は削られそうだね。



「まずいな…」


 小さく、でもはっきりとシルビアーナがそう呟いた。


 シルビアーナの額から、ツーっと一筋の汗が流れ落ちる。



「シルビアーナ様でも、マズいと思われますか?」


「あぁ。特に、これはコローレの身体だからな。少し、厳しいかもしれん」


 裕翔さんの問いかけに、シルビアーナは魔王から目を外さずにそう答えた。


 そうしている間にも、ジリジリと容赦の無いプレッシャーが僕らを襲う。



「シルビアーナ、あれは何属性の魔法になる?見た感じ、闇と風と空間と炎くらいはありそうな感じがするけど…」


「流石は鋭いな。ただ、闇と風と空間、そして炎の他に、毒、雷、後水も入っているだろう」



 何だ。殆ど全部じゃんか。


 土と花樹が入ってないけど、それでも殆どの属性があの魔法には練り込まれているらしい。


 禍々しく見えるのは、闇属性が多めだからだろうか?




「フフフ。これで君達も終わりだ…」



 !?


 魔力の練り込みが終わったのか、突如魔王が笑いながら言葉を発する。


 魔王から目を離さず見ていた筈の僕達は、急に変化した魔力の塊に、思わず息を飲んだ。



「え?」


 誰かの口から疑問の言葉が漏れた。


 しかし、それも当たり前かもしれない。


 何故なら、禍々しい色合いをしていた球体が、魔王の【完成】の合図と共に、眩いまでの金色に変わっていたのだから。



「やはり、まずいな…。スカーレット、ブロナー!ユート達を頼む!」


「姉さんは?」


「私は……。魔王を止める。コローレには本当に申し訳無いが、最悪道連れにしてでも食い止めよう」


「そんな!此処まで来て、何もせず指をくわえて仲間が死ぬところを見ていろと言うんですか!?」



 裕翔さんの反応はもっともだ。


 僕だって、いや、僕だからこそコローレを失う事になるなんて絶対嫌だし、ただ死ぬ様を見せつけられるだけなんて、もっと嫌だ。


 ランパート神父が死んだ。と聞かされた時の記憶がよみがえる。


 あんな苦い、苦しい思いをするのはもう沢山だ!


 どうせなら、奴に一矢報いたい。


 と、周りを見回してみると、皆、僕と同じ様な顔をしていた。うん。思いは皆、同じなのだ。




本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。

明日もまた同じ時間に更新致しますので、宜しくお願い致します


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