表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

273/293

二百六十四話目 復活


12月16日の更新です。

本日も宜しくお願い致します





「何であいつ、そんなに燃費が悪いんだ?」



 ここまで黙って聞いていた魔王が、不意に呟いた。


 そんな事僕に言われても分からないので、ここは正直に



「さぁ?理由なんか知らないけど、奴が大飯食らいなのは事実だね。僕は、そんな奴が魔法に武術に、って使いまくりの動きまくり何かしたら、すぐにお腹へって動けなくなる。そう思っただけだよ?」



 と、答えてやる。



 魔王は一瞬思案顔をしたが、すぐに顔を上げると、また胡散臭い笑顔を僕へと向けた。


 顔がなまじっか整っているだけに、胡散臭さが二割増しって感じだ。




「そう、か…。いや、貴重な解説をありがとう。でも、僕はまだ納得いかなーーー」



 意外にも【ありがとう】が言える魔王闇鍋の声が、途中から不自然に途切れた。


 それは何でか?と、言うと……。




「そうか?私は理由を聞いて、ストンと腑に落ちたぞ?」




 そう、すっかり元気になったシルビアーナが、後ろから手を伸ばし、後頭部をギリギリと掴んでいるからだ。


 所謂(いわゆる)逆アイアンクローって感じかな?モクモクと煙る塵の中から腕がヌッと伸びてくるのは、誰の腕か分かっててもビックリした。



「フンッ。急に体に力が入らなくなった理由が分かってスッキリしたよ。シエロ、ありがとう」


「どう致しまして」



「さぁ、魔王闇鍋よ!さっきの続きと行こうではないか!!」


「~~~~~~!?」




◆ しかし魔王はあまりの痛さに悶絶している。




 ゲームとかなら、きっとこんなテロップが出るところかな?


 魔王はもがくだけで、シルビアーナに返事を返す余裕も無い様だ。



「フハハハハハハハハ!さっきまでの威勢の良さはどうしたのだ?」


「グゥ、ウウウウウ~」



 シルビアーナは、片腕だけで魔王の体を自身の顔の上より高く持ち上げると、そう高笑いしながら大きな声で問いかけた。


 魔王は呻き声をあげはするものの、まともな返事すら返せない様だ。


 無理もない。後頭部を鷲掴まれて、そのまま持ち上げられてるんだ。軌道が変な感じに塞がれてしまっているんだろう。


 ……あのままいけば窒息とかしないかな?



 ………………あれ?




「って!違う違う!?それじゃあシルビアーナの方が魔王みたいじゃんか!?」


「む?そう言うものか?」



 ふと我に返った僕が慌ててそう叫ぶと、シルビアーナはあれ?みたいな微妙な顔をしながら、魔王の後頭部から手を離した。


 そこは自分で気がついて欲しかったけど、まぁ仕方無い。……のか?



《ゴトンッ》


「グッ!?」



 急に手を離された魔王が、重力に逆らわず床に落ちる。


 受け身も取れずに床に転がった魔王は、暫くそのまま悶えていた。


 うわ~。痛そう…。




魔王シルビアーナ。って展開も面白かったですかね(笑)


さて本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。

明日も18時頃に更新させて頂きますので、また宜しくお願い致します。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ