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二十五話目 出撃②


2月12日の更新です。

本日も宜しくお願い致します!



2019年4月10日 誤字修正致しました



 裕翔さん達の後ろ。


 作戦本部のほぼ中心辺りから現れたおっちゃんは、くすんだ金髪を後ろに撫で付けながら、同じくくすんだオレンジ色の瞳で、僕の姿をジロジロと観察し始めた。


 自分の髪の毛を撫で付けているゴツゴツした手が、とても優しくて温かい事を僕は()()()()()


「ガーランドさん。その様に人をジロジロと見るのは不躾では?」


 そんな遠慮の無い態度に、裕翔さんは僕を庇うように立ちはだかる形で怒ってくれたけど…。


「裕翔さん、大丈夫ですよ?ガーランドさん、御無沙汰しております」


 裕翔さんの影からゆっくり出た僕は、挨拶をしながらガーランドさんへ向けて、騎士の礼をとった。


 膝をつき、片膝の状態をつくると、心臓の辺りに自分の右手をあてて、深々とお辞儀をする。


 じいさんに仕込まれた、騎士としての最上位の挨拶だ。



「む?わしは、そなたと会うのは初めての筈だが?」


「いえ、ガーランドさんとは何度か…。今はこんな格好をしておりますが、(わたくし)はアーサー・コルトが孫、シエロで御座います」


「むむ!?そなたがアーサー殿の孫?そして、シエロ君だと言うのか?」


「えーと、お知り合いだった、の?」


 そう、知り合いだからこそ、この人がよく人を観察するのが好きだと知っているからこそ、別に僕は気にならなかった。


 この、僕を見ながら戸惑った表情をしているおっちゃんは、ガーランド・サーベルさん。

 じいさんの後輩にして王国軍の第一隊隊長だ。


 じいさんがまだ現役で、近衛騎士隊の隊長をやってた時は、鬼のコルトと仏のサーベルって有名だったらしいよ?


 じいさんが引退して、自分も近衛騎士団から第一隊に異動したって聞いていたけど、まさかこんな場所で会うとはね…。


 う~ん、世間は狭い。



「はい、この様な姿では分かりにくいですが…。ご覧の通り、シエロです」


「おぉ、確かにシエロ君だ!!久し振りじゃのう」


 ソラタの格好でシエロです!って言っても、そら信じてもらえないだろう。と、話しの途中で術を解除すると、ガーランドさんは好好爺然とした表情へと変わる。


《ザワッ》


 あれ?急に隊長がニコニコしだしたからか、途端に周囲がざわつき始めた。


 む。凄い見られてる気がする…。落ち着かないな。



◇◆◇◆◇◆


《side:裕翔》


 王国軍第一隊隊長のガーランドさんが、久し振りに会う孫にデレるかの様に目尻を下げて、シエロ君と話をしている。


 彼は、元日本人であると共に、こっちにもちゃんとした家族が居ると言う、俺達の仲間の中でもちょっと特殊なケースだ。


 根なし草な俺達からすると、羨ましくもあり、もう二度と向こうの世界には帰れないのだと言う辛さを兼ね備えたケースでもあるのだけど、この場合はちょっと羨ましいかな?


 【鬼の隊長】と呼ばれたガーランドさんのあの態度は、なかなか他の人では引き出せない訳だし、周りの人達もーーー


「おいっ!何で急に冴えないのが女神様になるんだよ!!」


「お前、さっきあの方に何か渡されていただろ?答えろよ!!」


「俺はあの方に薬を賜っただけだ!まぁ?お前らよりは長くお話しはしたがな?」


「くー!腹立つ!!」


 あっ、ガーランドさんは関係無さそうだね?




ガーランドは自分が隊長となる際、シエロの祖父、アーサーをお手本として隊員と接していたら、自分が【鬼】と呼ばれる様になってしまいましたww

たぶん後で本編にも出てくると思いますが、もっと後の方になると思うので、先に此処でご報告しておきます!


本日も此処までお読み頂き、ありがとうございました。

明日も同じ時間更新させて頂きますので、また宜しくお願い致します。


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