二百五十七話目 魔王軍との戦い①
12月9日の日の更新です。
本日も宜しくお願い致します
『ブモォオオオオオーーー!』
「うわわっ?」
《ブンッ。ズドォーン!》
一番近くに居たゴブリン部隊と、スゴい速さで僕達に襲いかかってきたサーペントタイガー部隊を、約半分の数まで減らした頃、遂にミノタウロス部隊が僕達のところまでやって来た。
距離的にはサーペントタイガーと変わりない位置に居たのに、ここまで差が出るのは、ミノタウロスが稀に見る足の遅い魔物だからだ。
ミノタウロスの動きを見ながら、彼等?を観察する。
ミノタウロス自体には初めて会ったけど、うん。僕が昔やってたゲームによく出てきたやつと印象は一緒だと思う。
筋骨粒々の赤茶色の肉体に、牛の顔がついた魔物。
ともすれば牛の獣人さんと間違えそうになる見た目をしているけれど、皆目が赤くて鼻の穴が左右繋がっているから実に分かりやすい。
ミノタウロスには雄しかおらず、腰に申し訳程度の布しかまいていないところもポイントかな?
取り合えず、女の人を襲うしかない脳筋バカな魔物。って覚えれば間違いない。
あれ?僕、人間にだけどそう言う奴知ってる気がするなぁ?
誰だっけ?まぁ、いいか。
「ミノタウロスは力任せに攻撃するしか能がない魔物ではあるけど、その力が厄介だから充分気を付けてね!?」
裕翔さんの檄が飛ぶ。
っとと。僕も呑気に観察している場合じゃないね?さっさと片付けて、シルビアーナに加勢しなくちゃ!
「裕翔さん!ミノタウロスの弱点は!?」
「女性に目が無い!後ろからの攻撃に弱い!そんなところかな?でもこれだけの数のミノタウロスに加えて、まだゴブリンやサーペントタイガーも残ってる状況だから、無理に背後を取ろうとせず、一頭一頭倒して行く事を念頭において戦って欲しい!」
「「「「「了解!」」」」」
裕翔さんのアドバイスを受け、僕達は各々ミノタウロス他魔物達に向き直る。
スカーレットやブロナーも、一応一緒に戦ってくれるみたいではあるけど、ミノタウロスに女の人と戦わせるのは悪手だ。と言う事で、なるべくミノタウロスを女神や美里達に近付かせない様にしながら戦う事になった。
何故か亜栖実さんだけはミノタウロスに攻撃魔法を撃ち込み続けているんだけど、誰もそれを止めないのは何故かしらん?
「亜栖実さん!気を付けて下さいよ?」
亜栖実さんがミノタウロスに囲まれる前に!と、多少首を傾げながら近付く。
加勢するつもりで亜栖実さんにそう声をかけたんだけど…。
「ありがとシエロ君!でも、君の方が可愛いんだから気を付けた方が良いよ?」
と、ちょっとニヤニヤしながら返されてしまった。
何かイラッとしたので、目の前で棍棒を振り上げていたミノタウロスに向かって魔法をぶつけてやった。完璧な八つ当たりだけど、どうせ倒すんだから一緒だよね!?
すぐ敵に八つ当たりする系主人公(笑)
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