二百五十話目 魔王の失敗
11月30日の更新です。
お休みして申し訳ありませんでした。
本日からまた再開させて頂きますので、宜しくお願い致します
2019年4月10日 誤字修正致しました
混乱の渦の中に居た僕の耳に、今一番聞きたかった人?達の声が聞こえてきた。
真実味に欠けるな。と呟いたその声は、
「ふむ。この空間全てに充満する様に、ごく微量の闇魔法をかけていたのか。霧の様に細かい粒子の魔法を散布する事で、この中で呼吸をすれば、その者は少しずつ、少しずつ君の手に落ちていく、と。そして、その効果は…?あぁ、なるほど。良く考えてあるな?思考の麻痺と簡単な洗脳か。ふむ。これにかかれば、君が誘導するままに少しずつ彼等の心に不安感が生まれ、直に絶望する。と言った具合かな?」
「まぁ、させないけどね?」
と、辺りを見回しながら口々にそう会話をすると、軽く指を振った。
「あっ、あれ?」
「俺…?」
すると、亜栖実さんと葵君が困惑した様に。だけど、さっきまでとは違って不思議そうな顔をしながらキョロキョロと自分の周りを見回している。
「ふむ。元に戻ったかな?」
「んフフ。貴方の好きにはさせないんだから♪」
そう言って、一歩僕の前から進み出たのは、いつかの様にコローレの体を借りたシルビアーナと、風華の体を借りたスカーレットだった。
シルビアーナは腕を組み、スカーレットは仁王立ちしている。
2人とも、見た目は体を借りたコローレと風華のものなので、すっごい違和感。特に風華の仁王立ち。
「もう!そこは良いでしょ?」
「あ、さーせん」
思わず漏れた呟きに、スカーレットから可愛い突っ込みが入る。そうやって僕とスカーレットが軽口を言い合っていると、今度は後ろから、こんな会話が聞こえてきた。
『ふむふむ。さっき、攻撃された時に、体の中に、直接闇の力を、流し込まれちゃった、のね…』
「ウミヒコとセージ治る?」
『勿、論』
見れば、何やら小難しい顔をして宇美彦と月島さんの周りをフヨフヨ飛び回っているシャドと、それを心配そうに見つめるスー君の姿があった。
うん、あのシャドの中にブロナーが入ってるんだろうけど、シャドの顔でキリッとした顔されるとこれまた違和感。
やっぱりシャドはきゃわきゃわ笑っていてくれるのが一番似合う。
もしくはドヤ顔ね?
《ポゥ》
アホな事を考えている間に、シャドの姿を借りたブロナーが手のひらを光らせる。
淡い紫色の光が、シャドの小さな手のひら全体を染めると、
《ブワッ》
!!?
宇美彦と月島さんの体から、真っ黒いモヤみたいな物がブワッと噴き出した。
噴き出したモヤは、そのままブロナーの光る手のひらへ向けて吸い込まれていく。
その量があまりにも多かったので、あんなに小さな体のシャドにあれだけのものを吸い込ませて大丈夫なのか?と、僕は心配になった。
文章だとそうでもないですが、絵で見たら違和感が半端ない感じですよね?特にコローレ(笑)
本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。
明日もまたこの時間に更新させて頂きますので、宜しくお願い致します