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二百四十九話目 混乱の勇者達


11月26日の更新です

本日も宜しくお願い致します





 何故か世界の終わりみたいな顔をして、宇美彦と月島さんは固く目を瞑っていた。


 さっきまでは魔王の話を聞きながら、何度か僕の方を向いて起き上がろうとしていたんだけど、それも辛くなったのか、2人とも体を起こす事を諦め、目を瞑っている。いや、何かを耐えている様にも見えた。



 でも、一体2人はどうしちゃったんだろう?


 そんな2人の態度に気がついたのか、いつの間にか亜栖実さんや葵君まで不安そうな顔をして僕の方と魔王の方とを何度も見比べているし、何だかこれじゃあ僕や裕翔さんの態度の方がおかしいみたいじゃないか。



「だから、僕は邪神様を助け出して、元の女神様のお姿に戻して差し上げたいんだ」


 いやいやいや。さっき、あんた邪神取り込んで新しい世界を作る!とかって豪語してたじゃん!!


 今さらそんな事言ったって、誰にも効かな…。


「そ、そうだったんだ…」


 効くのかよ!?


 何で効いちゃってんの?亜栖実さん??


 あいつ悪い奴だよ?魔王だよ?絶対騙されてるって!!何でそんな泣きそうな顔してんですか!??




「お可哀想な女神様を助ける為なら、僕は何でもするよ?」


 僕が亜栖実さんに声をかけるよりも早く、魔王はそう言ってにっこりと笑った。


 む~。何か勝ち誇っている様にも見えるんだよなぁ。いけすかない。



 でも、そんな明らかに怪しい態度を魔王はとっているにも関わらず、裕翔さん以外の他のメンバーは何故か申し訳無いような顔をして俯いてしまった。


 えぇ~?何で?



 困惑する僕をよそに、亜栖実さんは、


「ねぇ?邪神様を元に戻すにはどうしたら良いのかな?」


 何て問いかけ始めてしまった。


 おかしい。こんな急に態度が変えた奴の話を、いくらなんでも、こんなに簡単に信じる様な彼等彼女では決して無いのに、何で魔王に対してだけ、こんなにも変わってしまったんだろうか?


 明らかに僕の脳は、【危険だ!最大級の警戒を!】って警鐘を鳴らしているのに、更には原因だって目の前の魔王が何かしたんだ。って分かっているのに、何をどうされてこうなったのか。って言うのがまるで分からないから対処のしようが無い。


 マズイ。このままでは、今度こそ僕らは全滅だ!


 僕の脳裏に、為す術もなく崩れ落ちた宇美彦の、さっき魔王に攻撃された瞬間の光景が過る。


 今度は失神くらいでは済まされない筈だ。


 でも、正常(に見える)のは、僕と裕翔さんの2人だけ。この状態で、この状況を打開するには一体どうしたら良いんだろうか?


 気ばかりが高まり焦ってしまっている、このテンパった頭で、僕はどうしたら…?



「ふむ。中々に面白い寝物語ではあるが、イマイチ真実味に欠けるな」


 どうしよう?どうしよう?と、焦るばかりで答えが出なかった僕の耳に、ポツリとそんな言葉が聞こえてきた。

 


本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。


明日の更新なのですが、またお休みさせて頂きます。

本当にお休みばかりで申し訳ないのですが、次回の更新は金曜日。11月30日の18時頃を予定しております。宜しくお願い致します


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