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二百四十八話目 魔王の企み


11月25日の更新です。

本日も宜しくお願い致します



◇◆◇◆◇◆


《side:魔王》


 ふふふ。大分動揺しているね♪



 僕の前に一塊になって立つ勇者達は、見るからに困惑し、動揺している様に見えた。



 ふふふ。あの精霊に囲まれてる子も狼狽えてくれてるね?あぁ、人の子はチョロいなぁ。本当、助かるよ♪


 初めは、精霊並みに人の心の中が読めると言う少年に、多少ビクビクしていたんだけど、あの話しぶりから推測すると、どうやら僕の心の中は読めていないみたいだね。


 ふふふ。でも油断だけは禁物かな?チョロいと思っていた小物に足を掬われる事だって、大いに有り得る事なんだからさ。


 まぁ、それを言ったら、あの女達が送り込んできた精霊達にも警戒はしてたんだけど、そっちの方も僕がこの部屋に張り巡らせた妨害結界が役目を果たしてくれているみたいで、ひと安心だよ。


 お蔭で僕自身も奴等の心を読めなくなっちゃってるから内情を探る事が出来なくなっちゃった訳だけど、まぁしょうがないよね♪



 勿論、さっき女神達へ向かって天に叫んだのもお芝居だ☆


 わざわざそうやって応えてくれない女神と、哀れな魔王像を見せびらかしたのも、こんな風に話をする事で彼等の不安を煽ったのも、更には分厚い結界を四方に向けて張ったのも、あいつらに僕の悲願の邪魔をさせない為。


 狂気染みたお芝居だって、邪神様を復活させる為。勇者には生け贄として、ほぼ無抵抗で無傷な状態で死んでもらわなきゃいけないんだから、少しでもやる気を削いでおかなきゃね♪


 ふふふ。()も蒔いた事だしさ。



 ………さて、と。此処までは自分でも本当に怖いくらい順調にきているな。


 まぁ、順調に行ってる最大の要因が、何故か内情を知っているのに邪魔をしてこないラング・ド・シャにある。ってのが一番ネックになってる部分かな?


 あいつだけは早いところ口封じしないとな。まぁ、他の面子が騒いだところで結果は変わりないんだから、僕はラング・ド・シャの警戒を続けるだけで、取り敢えずは大丈夫だろう。


 いざとなったらイチには犠牲になってもらって、イチにラング・ド・シャを食い止めてもらってる間に2人纏めて殺せば良いよね♪


 イチは可愛い僕の下僕だから、そのくらいは朝飯前だろうし、最後まで頑張ってもらおうかな?



 ふふふ。もうすぐだ。いよいよ邪神様と1つになれるんだね?


 あぁ。お可哀想なアナスタシア様。早く僕が助け出して差し上げますからね♪


 僕は、勝手に上がりそうになる口角を必死に抑えながら、始まりの女神様の話を、()()()()()を加えながら、更に続けた。



◇◆◇◆◇◆


《side:シエロ》


 その後も続けられた魔王による昔話は、僕が思っているよりも遥かに怖い話だった。


 先ず、シルビアーナが自分のお姉さんを陥れて堕天させ、下界へ落とした事もそうだけど、お姉さんやその相手の男の人の運勢を意図的にねじ曲げて、起こらない筈だった事故や災害を誘発して、どんどんと2人の未来をマイナスな方へと変えていった。って話は特に信じられない話だよね?


 あの、実は可愛い物が大好きな、意外とお茶目さんなシルビアーナがそんな事をするなんて、僕には到底考えられないし、信じられなかった。


 ふと下を見ると、未だ床に体を横たえている宇美彦と月島さんと目があった。


 2人は絶望した様な顔をして、こちらを見ていた。


 って言うか何?何で2人ともそんな顔してんの?



本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。

明日もこの時間に更新させて頂きますので、また宜しくお願い致します


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