二百四十六話目 女神への不信感?
11月23日の更新です。
本日も宜しくお願い致します
「君達は【邪神】と言う存在を知っているかい?」
黙り込んだまま、自分を睨み付ける勇者達に、魔王はそう語りかける。
「僕達をこの世界まで飛ばしてきた諸悪の根源。だって言うことくらいなら分かるよ?」
それに対し、裕翔さんは最大限に警戒しながら答えた。
裕翔さんの後ろには僕。つまり宇美彦と、さっきコローレがどさくさに紛れて回収してきた月島さんがいるので、さっきみたいな魔王の攻撃を警戒してくれているのだと思う。
2人はまだ起き上がる事は出来ないまでも、意識は回復し、魔王を睨み付けながら事の成り行きを伺っている。
因みに月島さんはあばら骨がボッキリ3本も折れていた。そりゃ動けなくもなるよね?
「ふふふ。諸悪の根源、か。ねぇ?何故邪神が【邪神】と呼ばれ始めたのか、知ってるかい?」
「さぁ?」
「ふふふ。そんなに警戒しなくても、話している間は攻撃しないさ。そうだな。君達は違う世界から来たんだから知らないだろうけど…。いや、意図的に知らされていないのかもしれないけど、あいつら三つ子の上に、もう一柱、女神様が居たんだよ」
「何?」
裕翔さんの体がピクリと動く。
亜栖実さんと葵君が僕の方を見てくるけど、そんな話僕も知らない。
僕は2人に首を横に振ることで返事を返した。
「ふふふ。やっぱり知らされてなかった、か。自分達に都合の悪い事は隠したいと見えるね?そうだね、教えてあげるよ。あの三つ子が犯した過ちを…」
そう、魔王はニヤリと笑うと、近くの柱に寄りかかりながら、また話始めた。
魔王が柱に寄りかかると、すぐに黒スーが側へ駆け寄って行き、僕達と魔王の間に入る。
どうやら魔王の盾になっているつもりらしい。
「ふふふ。そうだね?何処から話そうかな?あぁ、そうそう。まだナツヒコ様が勇者をやっていた頃までは、あの方は三つ子と共に暮らしていた筈だから、そこの辺りから話そうか…」
そこで一度区切った魔王は、ふぅ。と1つ深い息を吐いてから、もう一度口を開いた。
あれらの姉は、始まりの女神。と呼ばれていてね?正しく全知全能の神。として、人々から崇められていたんだ。
そうそう。この世界を作り出したのも、本当は始まりの女神様なんだよ?
ふふふ。そう驚かなくても良いじゃないか。
神が過去や歴史をねじ曲げるのは、君達の世界だってザラにある事だろう?
でね?始まりの女神様はある時、三つ子にお話になったんだ。
私、好きな人が出来たの。ってね?
僕達はいつの間にか魔王の話す物語に引き込まれていった。
土地神様を悪魔に仕立てあげる。と言うのは、結構宗教戦争ではありがちなお話ですよね?
一番有名なのはベルゼバブでしょうか?
さて、本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。
明日もまた同じ時間に更新させて頂きますので、宜しくお願い致します