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二百四十四話目 魔王と神の技術


11月21日の更新です。

本日も宜しくお願い致します



「君は…。そうか、雷そのものが具現化し、命を与えられた存在だね?」


 魔王は、痺れた手を軽く擦りながら、ナルカミを見てスーッと目を細めた。


『にゃ、にゃんだ!しょれがろーしたんら!』


 亜栖実さんの肩に乗ったナルカミは、自身の出来る精一杯の威嚇のポーズを見せる。


 が、魔王はそれを見るなり


「クックック。あいつらはまだこんな事を繰り返していたのか。己が姉の様に、不幸な存在をいくつ増やせば気がすむんだろうね?」


 と、口元に軽く握った拳をあてながら、クスクス笑い出した。


 そんな魔王の姿に、ナルカミは


『ママのこちょバカにしゅるな!』


 と、亜栖実さんの肩の上で怒りを露にした。


 しかし、魔王はその言葉を聞くなり悲しそうな表情になり、ふぅ。と1つため息を吐く。


 そして、



「【ママ】か。君は憐れで愚かで可哀想な子だね。アレは、母親何て崇高な者では無いよ?ねぇ、君には兄弟がいるかな?」


『何じぇしょんなこちょ…。んちょ、ひかりのちょかげしゃんもいちゃけろ?しょれが何なのよさ!』


「そう…。光の子は?今も元気かい?」


 と、ナルカミに向かって幾つか問いかけた。


 その顔は真剣そのもので、そんな顔をしていると、更にブロナーに良く似て見えた。


 ナルカミも、魔王のそんな姿に母親達の像を見たのか、少しだけ声のトーンが落ちる。


『し、しらにゃい…。あしゅみのところへきちぇからはあっちぇないかりゃ…。でも、元気らもん!』


「そう…。ねぇ?勇者達。僕が何故カベルネやここにいるイチ達の様な存在を産み出せるのか、不思議に思った事はないかい?」


 魔王が裕翔さんや亜栖実さんの方を見ながら語りかける。


 先程までの姿とは違い、その姿には理性の光が宿っていた。


 裕翔さんは宇美彦を自身の体で隠す様にしながら前に出る。


 僕はコローレに引っ付かれながらも宇美彦の側へジリジリと近づきながら、様子を伺っています。


「えぇ、ずっと気になってましたよ。でもそれが、そこの蜥蜴君と何か関わりがあるとでも?」


 裕翔さんが問いかける。と同時に、彼の剣に宿る妖精さんまで裕翔さんの傍らに現れ、フワフワと周りに浮かびながら頷いていた。


 危ないから剣の中にいて欲しいな~。とか思うのは、僕だけだろうか?



「ふふふ。答えは簡単さ。僕があいつら。つまり女神達の技術を応用して、カベルネ達を産み出した。ってだけだよ?そこの雷君や、あいつらのところにいるっていう光の蜥蜴君をあいつらが産み出した様にね?」


「女神達の技術を応用?それなら尚更、自分達の都合の良いように命を弄んでおいて、女神達の事を悪く言うのはどうかと俺は思うけどなぁ?」


 ニヤリと笑いながら話す魔王の放った言葉に、裕翔さんは珍しく嫌悪の混じった、言い回しをして返した。


 すると、魔王は面白そうにまた少し笑うと、


「意識のまだハッキリしないうちに、失敗作を仮の体へと移し、下の世界へ倒されるべき魔物として送り出す。と知ってもかい?」


 と、魔王は笑いながら続けた。



レキシを聞きながら書きました(笑)


本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。

明日もまたこの時間に更新致しますので、宜しくお願い致します


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