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二百四十三話目 魔王と戯れ


11月20日の更新です。

ちょっと今回短めなのですが、キリが良いのでここまでで更新させて頂きました。本日も宜しくお願い致します



 半ば叫ぶ様にして笑った魔王は、此方を見据えながら、ゆら、ゆら、と体を揺らした。


 まるで幽霊の様な動きを見せた後、魔王の姿がフッとかき消える。



 マズイ、転移?


 と思ったのも束の間。



「くっ!?」


「ふふふ」


 動けない月島さんを守っていた宇美彦の前に現れた魔王は、笑いながら宇美彦に手のひらをかざすと、



「闇よ…」



 とだけ呟いた。


 すると宇美彦はガクガク。と少しだけ震えた後で、白眼を剥いて膝から崩れ落ちる。


 戦闘体制に入り、しっかりと相手を見据え、身構えていた宇美彦が何も出来ずに、いや、させてすらもらえずに倒されたのだ。


《ドシャッ》


 宇美彦が魔王の足下に転がる。


 魔王は、倒れた拍子に外れて飛んだ宇美彦愛用の手甲を無造作に踏みつけると、



「2匹目♪」


 と、恍惚の表情を浮かべながら笑った。



「宇美彦!!?」


「駄目ですシエロ様、我らから離れないで下さい!」


「でも!」


 倒れ伏して動かない宇美彦の姿に、思わず駆け寄ろうとした僕だったけど、コローレにあっさりと押さえられ、僕は宇美彦の側まで近付く事は出来なかった。


 しかし、その間に、



「宇美彦に何するんだ!」


 と、杖を構えた亜栖実さんが特大の火の玉をぶっぱなした。


 ほぼ距離が無い状態で発射された火の玉は、僕がさっき黒スーに放った光の玉とは比べ物にもならないくらいに大きく、たぶん僕の体がすっぽり入るだろう。くらいの大きさがあった。


 あんなもの喰らったら、流石の魔王だって無傷ではすまないだろうと思われたがーーー。



「フフ、子供だましだね?」


 そんな特大の火の玉を、魔王は手のひらをかざしただけで消してしまった。


 それはまるで、ブラックホールに吸い込まれるかの様にして、手のひらの中へ消えていった様にも見えた。



「なっ!?」



 驚き、隙だらけになった亜栖実さんへ、魔王の手が伸びる。



「ふふふ。3匹目かな?」


『しゃしぇないもん!!』


《バチチッ!》


「痛っっ」


「ナル君!?」


 魔王の手が亜栖実さんに届くか!と言う辺りで、亜栖実さんの雷蜥蜴のナルカミが、スタンガン宜しくバチバチと自身の体から放電した。


 堪らず飛び退く魔王と、飛び出した鳴神を両手でキャッチしながら驚いた声をあげる亜栖実さん。


 ナルカミはそんな2人の顔を見ながら、亜栖実さんの手の中でドヤ顔を披露したのだった。



本日も此処までお読み頂き、ありがとうございました。

明日もまた18時頃に更新させて頂きますので、宜しくお願い致します

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