二百三十四話目 今度こそスー君②
11月9日の更新です。
本日も宜しくお願い致します
ちょっと魔力自慢みたいになっちゃって恥ずかしい僕が縮こまっている中、女神達と勇者達の話し合いは続いている。
《『まぁ、スペアの魔力のバカ高さは何となく分かった。シエロのあの魔力を力任せに注がれたのであれば納得。と、言うものだ』》
「シエロ様は毎日私達に魔力をお与え下さいますから、その段階で魔力切れや枯渇を繰り返した事により、魔力が底上げされたものと思われます」
「あっ、なるほどね?それだったら、あのヤバすぎる魔力量も納得だよ!何せ毎日5人の精霊達に魔力をあげてるんだもんね?」
妙に納得しているシルビアーナの補足をする様に、うちのコローレさんが追加の説明を加えていく。
それを受けて、亜栖実さんも納得した様だ。
って言うか、一番僕から魔力持っていくのは貴方だからね!?コローレ君!!
《『まぁ、良い。魔力量が多いのに悪い事は無いからな。勿論、それは魔力暴走を起こさない。と、言う意味でだが…。まぁ、シエロだしな?大丈夫だろう』》
「えぇ。何せシエロ様ですので、その点に関しては大丈夫かと、存じます」
《『だな。では続けてスペアの能力について説明しよう。スペア、皆に見せておあげ?』》
「はーい!!」
シルビアーナにそう促されたスー君は、とっても良いお返事をした。
そしてーー。
《シュンシュンシュン》
《パパパパパ》
目にも見えない早さでスー君はテレポートを繰り返した。
まさに瞬間移動とも言うべきその動きは、裕翔さんでも目が追いつかないほどだ。
《パパパパパパパパパパ》
あちらこちらに現れては消えるスー君に、アトラやアルベルトさんは目を白黒させていて、急にスー君が彼らの肩や頭に触れる度、
「ぎゃっ!?」
「うわぁっ!??」
「ひっ!」
等々、小さく悲鳴をあげている。
うん。まるでお化け屋敷に来たお客とスタッフみたいだね?神出鬼没に出てくるところが特に!
まぁ、この場合スタッフさんはスー君1人だけど…。
でも、これだけの連続転移を行って、魔力が枯渇しないなんて凄い。
目まぐるしく瞬間瞬間で転移をするのは勿論の事、普通はこんな風に転移を連続して行う何て出来ないからね?それだけ魔力を使わずに、針の糸を通す様な魔力操作を行うって事だから、少なくとも普通の人間には真似出来ない芸当だ。と、僕は思う。
「スー君、凄いや…」
気がついた時には声がポツリと漏れていた。
うぅ、感動だよぉ。
《『スペア、そろそろ良いだろう』》
「は~い☆」
《シュン!》
「おっしまい!!」
「うわっ!??」
と、分身する勢いで瞬間移動していたスー君が、シルビアーナの号令でピタッと止まる。
今まで連続して行っていた動作をピタリと止められると言う事は、それだけ魔力に振り回されていない。と言う証でもある。
うぅ、やっぱり感動だよぉ!スー君、頑張ったねぇ!?
「スー、危ないだろ?」
「えへへ~」
「全く…」
まぁ、止まったのが宇美彦の肩の上なのはちょっと気になるけど、スー君はご機嫌だし、宇美彦も満更でもなさそうなので、放っておく事にした。
うん。平和な光景だね。
う~ら~め~し~。止めときますww
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