二百三十一話目 魔王軍の化学力?
11月4日の更新です。
本日も宜しくお願い致します
《『私達、は、大きな勘違いをしていた』》
「と、言うと?」
《『うん。私達は、最初、スー君、は、カベルネのスペア。君達の、世界、で言うところの、ただのクローンだ、と思っていた』》
「えっ!?違うんですか?」
裕翔さんが勢いよく水晶玉を覗き込む。
裕翔さん。それだとブロナー側からは裕翔さんの顎の辺りしか見えませんよ?
何て、ツッコミを彼に入れながら、僕と宇美彦は両サイドから裕翔さんのズボンを引っ張り、元の位置に座らせる。
宇美彦との長年の付き合いの賜物か、何の打ち合わせもせずに、裕翔さんはあっという間にストンと座らされた。
本人も何をされたのか分かっていないところが面白い。
「さて、ブロナー。それならスー君は、一体何者だったの?」
《『ん。スー君は、一から十まで、全てが、人工物だった。と、言っても、ロボット、じゃない。人工的に、作られた生物、と、言った方が早い。でも、普通の生物とも違う……。説明が難しい』》
《『つまりは、人工的に産み出された魔法生物。と言ったところだろう』》
「あっ、シルビアーナ。スカーレットとの戦いはもう良いの?」
《『シエロ君、戦いも何も、姉さんとじゃれあってただけじゃない』》
苦笑したスカーレットも水晶玉の前にフェードインして来た為、一気に水晶玉の中は華やかになったが、少々窮屈そうだ。
何で3人とも我こそが正面を!的にグイグイ押し合いへし合いしてんのさ。仲良くしなよ…。
「シエロ、シエロ」
と、急に後ろから服の裾を引っ張られる。
「何?アトラ?」
「あんさ、ろぼーとって何だ?」
「ろぼーと。じゃなくて、ロボットだね。ロボットって言うのは、人型の魔道具だよ?んー。人形が話したり動いたりする。って言った方が分かりやすいかな?」
「えっ!?人形が動くのか?ゴーストの類いじゃなしに?」
私のゴーストが囁くの。って言う意味なら近いかもしれないな。何て思ったけど、絶対アトラには通じないので、僕はそっと開いた口をつぐんだ。
(´・×・`)<キュッ
(´・ω・)<?
ーーーー
ーー
《『さて、脱線してしまったが、スペアの事について話そうと思う』》
「さっきっから、何回この件を繰り返すのさ。良いからたったか話してよ」
《『うっ、うむ。すまない。では、たったか行こう。スペアが人工的に作られた生物だと言うのはブロナーから話してもらった通りだ。そして、たぶんスペアは君達の世界で言うところの【ホムンクルス】が一番近しい存在だと思うのだ》
「ホムンクルスって、確か錬金術で産み出されたって言う、試験管の中でしか生きられないやつだよね?」
「何で亜栖実はそんな事に詳しいんだよ…?」
「聞きたい?」
「……いや、遠慮しとく」
亜栖実さんと宇美彦の会話を流しつつ、シルビアーナのお話は続く。
亜栖実がそう言う単語に詳しいのは……まぁ、お察し下さいww
本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。
さて、明日の更新なのですが…。
すいません!m(__)mまたお休みさせて頂きます。
お休みばかりで、大変申し訳ないのですが、明日と明後日の更新をお休みさせて頂きます。
次の更新は、水曜日、11月7日の18時頃を予定しております。
申し訳ありませんが、宜しくお願い致します