二百三十話目 スー君と女神
ちょっと短いですが、きりが良いので更新させて頂きます。
11月3日の更新です。
本日も宜しくお願い致します
《『先ず、スペアをそちらへ戻すのが速くなったのは、魔王軍が進軍を始めている事とは何も関係は無い。スペアは立派に我々の修行に耐え、力をつけたからこそ戻した。と言う事だけは始めに伝えておきたいと思う』》
シルビアーナは水晶玉越しに、スー君へ向けて笑顔を送った。
スー君はシルビアーナに誉めてもらって、顔を真っ赤にしながら照れている。
モジモジしてるスー君は、例え身長が180㎝を越えているとしても可愛い。
「スー君頑張ったんだねぇ?」
「えへへへへへ」
追い討ちをかけてみると、スー君の顔は更に真っ赤になった。可愛い。
《『そうだ。そうそう、その事でもユートやシエロに伝えておきたい事がある』》
「俺とシエロ君に?えっと、何でしょう?」
《『うむ。スペアの体の事だ』》
シルビアーナは水晶玉越しにコクリ、と頷きながら、そんな事を言った。
途端に、彼の寿命を、身体中に一度は深々と刻みこまれた皺を思いだし、肌が粟立つ。
「シルビアーナ、どういう事?」
思わず裕翔さんに割り込む形になってしまったが、裕翔さんは許してくれた。スッと、横にずれて、僕を水晶玉の正面へ立たせてくれる。
《『うむ。先ず、体の事。と言っても、スペアの寿命関係の事ではないから安心するといい。私が言いたかったのは、彼の総魔力量だ』》
「へ?魔力量?」
命に関わりは無いと知り、急に力が抜ける。僕の隣で、同じ様に水晶玉を覗き込んでいた裕翔さんも、ホッ。と息を吐いたのが分かった。
《『もう、姉さんは紛らわしいのよ!ちょっと代わって!』》
《『あっ!おいっ!?』》
ん?何か急に水晶玉の中…と言うか水晶玉の向こう側がわちゃわちゃし出したぞ?
何かシルビアーナとスカーレットが揉めてるみたいだけど…。おいおい、女神通しで揉めないでおくれよ。
何てあきれ半分で2人のいざこざを皆で眺めていると、
《『2人、が揉めてるから、代わりに、私が、説明する』》
《『『あっ!』』》
揉めてる長女と末っ子を尻目に、ドヤ顔の次女が降臨した。
流石はブロナーだねぇ。
《『じゃあ早速…』》
そして、呆気に取られる上と下に全く構わない自由人な真ん中は、ドヤ顔のままで話始めたのでした。まる。
副題は《三姉妹の兄弟喧嘩ww》です。
本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。
明日もまたこの時間に更新致しますので、宜しくお願い致します