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閑話 ハッピーハロウィン


突発的ハロウィン閑話です。

本日も宜しくお願い致します


2019年4月22日 誤字修正致しました



 朝、目が覚めると、僕は学生時代の姿に戻っていた。


 あれ?


 と、あまりの違和感に疑問を抱きはしたものの、始業まであまり時間が無い事に気がつき、慌てて制服に着替える事にした。


 僕は二段ベットの下の段で寝ているんだけど、いつもこの中でモゾモゾ着替えているんだ。


 ベットの中とは言っても、学園の寮に設置されているベットは高さも広さもあり、小柄な僕はその中でもほぼほぼ立って着替えが出来るので、特別苦は無い。



「おい、シエロ!早く行くぞ!?」


「あっ、ごめん!」


 ベットの外から影が声をかけてきた。


 慌てて声の主に声をかけて、外に出る。



「ごめんねルドルフ!ブロンデ!お待たせ!!」


 あの口調からして、迎えに来てくれたのはルドルフと、声は聞こえなかったけどブロンデのコンビだろうと思った僕は、外の人物へと声をかけながら、ベットサイドのカーテンを開けた。


 朝の光と共に、思った通りの2人の姿が現れ…。



「あ?【ルドルフ】って誰だよシエロ。何だ?お前まだ寝ぼけてんのか?」


 なかった。


 僕をベットの外で待っていてくれたのは、真っ赤な髪の毛が炎みたいにゆらゆら立ち上がりながら揺れている少年だった。


 真っ赤な髪の毛に勝ち気そうな真っ赤な瞳が印象的な少年が、学園のローブを制服の上から羽織った姿で、仁王立ちしながら僕を困った様な顔で覗き込んでいる。



「あれ?ごめん…【カベルネ】。ん~?何処からルドルフ何て出てきたんだろう?」


 彼の顔を見たら、名前がスルッと出てきた。


 そりゃそうだよね?毎日一緒にいる友達だもの。



「おいおい、しっかりしろよな?ほら、行くぜ?」


「うん」


 そう言って差し出されたカベルネの手を取った僕は、2人仲良く食堂へと向かう。


 途中で、白衣姿のガルネク先生とすれ違ったけど、先生は相変わらず神経質そうな顔をして、親指の爪をガリガリかじりながら歩いていた。


 カベルネは、


「あんな大人にだけはなりたくねぇな」


 と、先生に聞こえないように、僕の耳元でコショコショそんな事を言った。


 思わず吹き出しそうになるのを我慢する。けど、体が勝手にプルプル震えていたみたいで、


「ん~?どうしたの?風邪かな?」


 何て気の抜けた様な声を出しながら、理事長先生が僕に声をかけてきた。理事長先生は、いつも食堂の前で生徒達1人1人と挨拶してくれるんだ。


 だけどいつもはもっと食堂側にいるのに、何で?と、頭の中でグルグル考えがまとまらないまま黙っていると、理事長先生が僕の背に合わせる様にしゃがんでくれた。


 まるで女の人みたいに綺麗な顔が近づいてきて、少しドキッとする。


 そのまま、先生の手のひらが僕の額にあてられ、


「ん~?うん、熱は無いかな?」


 と、微笑みかけてくれた。艶やかな黒い髪の毛がサラッと傾いた方へ流れる。


「なっ、何でもありません!ちょっと思いだし笑いをしちゃっただけです!!」


「ん~?フフフ。そっか、思いだし笑いだったのか。んフフ、思いだし笑いなら良いけど、体の調子が悪い時は我慢しちゃ駄目だからね?気をお付けよ?」


 ドギマギしながらも、何とかそう返すと、理事長先生は額にあてていた手のひらで、今度は柔らかく笑いながら、僕の頭をポンポンと優しく叩いた。


 叩かれた。って言っても、理事長先生の手は優しくて軽やかだったから、痛みも何も感じない。


 寧ろフワフワした様な気持ち良さで、うっかりするとまた眠ってしまいそうになる程だった。


「はっ、はい!」


 襲い来る眠気との闘いに勝利した僕は、目の前で優しく微笑む理事長先生に、返事を返す。


 緊張し過ぎて思わずどもってしまったけど、理事長先生がそれを追及してくる事もなく、


「んフフ、じゃあ今日も学園生活を楽しんでね?」


 何て、笑いながら颯爽と歩いていった。



「やっぱり理事長は格好いいな!?俺、大人になったらああいう大人になりたい!」


 隣のカベルネが、瞳をキラキラさせながら、そんな事を熱く語っている。


「ははは。カベルネに理事長先生みたいな真似は無理でしょ?精々軍を率いる大将を任されるくらいじゃない?」


「なんだよその、妙に具体的な感じは!失礼だぞ?」


「あはは、ごめんごめん。さっ!早くご飯食べに行こう?」


「何だよ!元はと言えば、お前が寝坊したんだろ!?」


 僕らは笑いながら食堂へと駆け出した。


 朝日がキラキラ輝きながら、僕らのいく先を照らしてくれていた。




ーーーー

ーーー




「………良かった。夢か」


 ピチピチと、調子っぱずれな鳥の声が外から聞こえてくる。


 僕は、アジトの自分の部屋で胸を撫で下ろした。


「カベルネが同級生とか、勘弁して欲しいな…」


 モソモソと支度をしながら呟き、フラフラと朝食を作る為に食堂へ向かう。


 朝靄のかかる王都は、今さっき、やっと夜が明けたばかりの時間だ。



「…ガルネクが担任だったらマジで泣くわ~」


 皆が起きてくる前に、と、ちゃかちゃか朝食の準備をしながら、僕はため息を吐く。


 と、その時、


《カチャッ》


「お早うシエロ。目が覚めちゃった…」



 カベルネと全く同じ顔ーーカベルネのスペアとして作られたんだから当たり前なんだけどーーのスー君がひょっこりと、まだ薄暗い食堂に現れたので、僕は軽く叫びそうになった。



そしてハロウィン関係無いと言う…。

突発的にやるもんじゃないですねww


本日も此処までお読み頂きまして、ありがとうございました。

そして、明日の更新ですが、こんな閑話の後で申し訳ないのですが、お休みさせて頂きます。

最近お休みばかりで申し訳ありませんが、明後日、11月2日にはまた更新させて頂きますので、何卒宜しくお願い致します。


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